正解(まばたきに関する記述のうち間違っているもの)は、(3)まばたきは、しっかりまぶたを閉じなくてもいいので、なるべく高速で行うのが効果的だ です。
通常、まぶたが閉じると同時に目玉は上へ上がるので、目は白目になっています。しかし、まぶたが閉じ切っていない人の場合、残った黒目が見えています。「下までしっかりまぶたを閉じる」のが正しいまばたきの方法です。おおたけ眼科つきみ野医院(神奈川県大和市)の綾木雅彦院長によると、まばたきをしているのに、ちゃんとまぶたを閉じ切っていない人は多いそうです。
「まばたきがちゃんとできていない人は多いですよ。まばたきをしても、まぶたが8割ほどしか閉じていない人をよく見かけます。そんな患者さんには『ちゃんとまぶたを下ろして目を閉じてください』と指導していますが、本人は言われなければ分からないようですね」
なぜ、まぶたを完全に閉じてまばたきをしなければいけないのでしょうか?
疲れ目やドライアイ防止だけでなく、集中力などにも関係
理由の一つは、まばたきは、黒目の汚れをとる、いわば「ワイパー」のような役割を持つからです。まぶたをしっかりと閉じれば、眼球は上転するので黒目も上に上がり、まぶたが開くと眼球は下がる。こうやってまばたきのたびに眼球を拭き上げています。
まばたきをすると、上まぶたの内側にある涙腺から涙が出てきて目の表面を潤し、目頭の内側にある涙点から鼻へ流れ出るという涙の循環がスムーズに行われます。また、乾いたところと濡れたところのムラがないように、均一に目の表面を潤す効果もあるため、まばたきはドライアイ予防にもつながります。
「まばたきが完全にできていない人は目が傷つきがちなので、目の痛みを訴える人も少なくありません。角膜は、知覚神経の塊。視力を守るために、異常があると分かるように痛覚が集中している敏感な部位です。この角膜のメンテナンスをする『まばたき』は、疲れ目やドライアイ防止にとても大切なのです」(綾木院長)
まばたきがどのくらい大切かというと、目表面の疾患分野についての研究・教育などを推進する、米国ボストンに拠点を置く国際的NPO組織TFOS(Tear Film & Ocular Surface Society)が、一般の人にまばたきの大切さを啓発するために歌を作っているほど。「みんな、恥ずかしがらずにまつげをぶつけてまばたきをしよう」といった内容の歌です(*1)。
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