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Goodayクイズ

高齢者のアルコール依存症が増えているのはなぜ?

クイズで学ぶ「加齢と飲酒」

 日経Gooday編集部

 正解は、(1)ホントです。

今やアルコール依存症患者の5人に1人以上が高齢者

 近年、高齢者のアルコール依存症の人が増えています。アルコール依存症の専門的な治療を手掛ける久里浜医療センターの調査によると、65歳以上のアルコール依存症患者の数は右肩上がりで増加(図1)。アルコール依存症患者全体に占める高齢者の割合も、1990年代初めは10%に満たなかったものが、2011年には20%を超えています。久里浜医療センター以外の全国11の専門病院のデータでも、アルコール依存症患者に占める高齢者の比率は増加しており、2007年には26.7%だったと報告されています(*1)。これはなぜなのでしょうか。

図1 久里浜医療センターの受診者(アルコール依存症)に占める高齢者の比率
(厚生労働省 障害保健福祉総合研究事業「精神障害者の地域ケアの促進に関する研究」、平成19年度研究報告書 樋口班のデータより)
[画像のクリックで拡大表示]

 久里浜医療センター院長の樋口進さんは、その原因の1つとして、「高齢になるとお酒に弱くなり、少ない酒量でもアルコール依存症になりやすいこと」を挙げます。

 「人は、年齢を重ねるにつれて肝臓の機能が落ち、アルコールを分解するスピードが遅くなります。そうすると、同じ量を飲んだとしても、若い頃よりアルコールの血中濃度が高くなってしまうわけです」(樋口さん)。

 これに加えて、体内の水分量の低下も影響するという。「人間の体内の水分比率は赤ちゃんの頃は80%と非常に高いのですが、加齢とともに下がっていき、高齢者になると50%台になってしまいます。アルコールを飲めば体内の水分の中に溶け込むわけですが、体内の水分量が少なくなると、アルコールを溶かす対象の量が減り、血中のアルコール濃度が高くなりやすいのです」(樋口さん)。

 アルコール依存症患者の典型的な状態の1つに、起きている間はお酒を飲み続けて、1日中アルコールが体内にあるような状態があります。「実は、高齢者の場合は、1日3合くらいを飲んだだけでこれと同様の状態になることがあります」と樋口さんは話す。

一番肝心なのは、若い頃の半分以下まで酒量を減らすこと

 「もちろん、社会全体で高齢者が増えていることも大きな要因です。そして、退職してやりたいことが見つからずアルコールに走ってしまうケースもあります。実際、“ベビーブーマー”と呼ばれる団塊の世代の定年退職が始まった2000年代の前半から半ばに、高齢者のアルコール依存症の患者が増えました。こういった方々がみんな大量に飲んでいるわけではありません。繰り返しになりますが、少ない量でも依存症になることが多いのです」(樋口さん)

 では、シニアが飲酒で気をつけるべきポイントとはどのようなものなのでしょうか。「一番肝心なのは、やはり酒量を減らすこと。加齢とともに飲酒量を下げることをお勧めします。目安としては『翌朝目覚めたときに残ってるな』と思うまでの量は飲まないことです。これは、最低限守らなければならないことです。個人差もあるので一概には言えませんが、少量減らすことで満足せず、できれば若い頃の半分以下まで思い切って減らすことをお勧めします」(樋口さん)

 そして、飲み方も大切です。お酒はゆっくり飲むこと、また食べながら飲むことで、急激に血中アルコール濃度が上がるのを防ぐことができます。脱水を防ぐため、お酒を飲みながら水を飲むことも大切です。「ウイスキー、ジンなどアルコール度数の強い酒をストレートで飲むのは避け、アルコール度数の低い酒を一貫して飲んでほしいですね」(樋口さん)。

*1 厚生労働省 障害保健福祉総合研究事業「精神障害者の地域ケアの促進に関する研究」、平成19年度研究報告書 樋口班のデータ
この記事は、「年をとると酒に弱くなるのはなぜか?」(葉石かおり=エッセイスト・酒ジャーナリスト)を基に作成しました。
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