
正解(前立腺がんの5年生存率)は、(5)99%です。
前立腺がんは男性に見られる代表的ながんです。「歳をとると増える」「進行が遅く、おとなしいがん」といった印象を持っている人も多いでしょう。
前立腺がんは、恥骨の裏側にあり、栗のような形をしている「前立腺」に発生するがんです。がんの部位別死亡数で見ると、前立腺がんは男性の第6位(2017年のデータ)、罹患数では第4位(同2014年)となっています。
日本人男性では、がん全体のおよそ14%を占め、高齢男性でよく見られます。がん以外の原因で亡くなった人を剖検(ぼうけん:亡くなった方を解剖して、死因や診断の正しさ、病気の進行などを調べること)すると、実は前立腺がんがあったことが確認されることも多くあります。
がん予防のプロフェッショナルで、がん予防の著書も多く手がける、国立がん研究センター 社会と健康研究センター センター長の津金昌一郎さんは、「前立腺がんは進行が比較的ゆっくりで、寿命に直接影響を及ぼすことがないこともあります。かなり進行していても、適切な対応によって、日常生活を長く続けることができるがんでもあります。つまり、高齢になるほど高い確率で見つかるがんではありますが、知らずに罹っていて、直接死には影響することが少ないのが、前立腺がんなのです」と話します。
国立がん研究センターが、日本において、一定年齢までに前立腺がんで死亡する確率を推計したところ、70歳までに死亡する確率は0.12%、80歳までは0.50%、生涯で見ても1.33%となっています(2017年の人口動態統計のデータより推計)。