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Goodayクイズ

大声を出すと筋力がアップするってホント?

クイズで学ぶ「パフォーマンスの上げ方」

 日経Gooday編集部

日経Gooday読者のみなさん、「カラダにいいこと、毎日プラス」していますか? Goodayクイズでは、今知っておきたい健康や医療のネタをQ&A形式でおさらいします。出題範囲は日経Goodayに掲載した記事です。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。ではさっそく、今週のGoodayクイズを始めましょう。

「パフォーマンスの上げ方」に関する問題

【問題】オリンピックなどの大舞台。掛け声を出しながら競技を行うと、筋力が上がるというのはホント? ウソ?

  • (1)ホント
  • (2)ウソ

 正解は、(1)ホント です。

最大の力を出しているつもりでも、実は脳のほうがセーブしています。大声を出すと筋力がアップすることが分かっています。(©Stefano Cavoretto-123rf)

 専門家によると、自分では最大の力を出しているつもりでも、実際には遊んでいる運動単位(*)があるそうです。つまり、自分の意思では運動単位のすべてを使うことができないということです。

 筋肉に最大の力を出させておいて、筋肉につながっている神経に電気刺激を与えると、自分の意思で出せるよりも大きな筋力が出るという報告があります。また、随意最大筋力(自分の意識での最大筋力)を計測したあとに被験者に催眠術をかけ、あるいは興奮剤を与え、もう一度最大筋力を測ると最初よりも大きな力が出たという実験もあり、自分の意思で最大筋力を発揮しても筋肉はフルに活動できていない、ということは昔からいわれてきました。

 催眠術や興奮剤の結果から、最大筋力を出しているつもりでも、脳のほうで少しブレーキをかけていることがわかります。これは「中枢による抑制」と呼ばれます。ところが、スポーツの大会では、催眠術や興奮剤は使えません。

 現在までに証明されているものとしては、「シャウト効果」があります。大きな声を上げることで中枢の働きを変えてしまおうというもので、現場では昔から行われていたやり方でもあるため、これによって筋力が上がることは経験的にわかっていた面もあるでしょう。実験でも、確かに筋力が上がるというデータが出ています。自分を鼓舞する、気合を入れる、といった目的で大声を出している選手も多いと思いますが、これは運動単位をたくさん使う手段としても有効だったわけです。

 人は非日常的な出来事に直面すると、無意識に大きな声を発することがあります。そして、普段は出せないような力が出る。これが火事場の馬鹿力と呼ばれるわけですが、非日常的な出来事の刺激によって中枢の抑制が外れるという現象は、スポーツの現場だけでなく日常生活でも起こっているのです。

* 運動単位(モーターユニット)とは、1つの運動神経とそれが支配する筋線維の集団のこと。大もとにある神経細胞が活動し、神経線維に沿って指令を送ると、そこにつながっている筋線維が全部同じように収縮します。

 さらに詳しい解説はこちら。

◆“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学
「火事場の馬鹿力」は自らの意志で出せるのか?

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