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Goodayクイズ

綿のTシャツ vs ポリエステルのTシャツ、体温上昇を抑えるのはどっち?

クイズで学ぶ「熱中症対策」

 日経Gooday編集部

 正解は、(2)ポリエステル100%のTシャツです。

写真はイメージ=(C)Dima Shiper-123RF
写真はイメージ=(C)Dima Shiper-123RF

 衣服の素材によって、着ている人の体温上昇の具合は異なります。

 神戸女子大学教授・平田耕造さんらは綿100%のTシャツとポリエステル100%のTシャツを用いて、温熱環境下での衣服の表面温度と、皮膚血流量を調べる実験を行いました(*1)。その結果、発汗が始まった頃から特に吸湿性の高い綿のほうが大きく衣服の表面温度が上がり、皮膚血流も増加しました(図1)。

発汗が始まると綿のほうの衣服表面温度と、綿を着ている人の皮膚血流量の値が上がった
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発汗が始まると綿のほうの衣服表面温度と、綿を着ている人の皮膚血流量の値が上がった

 「ポリエステルは構造上、繊維内部に水分を保持しにくいため乾きやすいのですが、綿素材は水分が繊維そのものに染み込み、保たれた水分が温まって収着熱と呼ばれる熱が上乗せされます。汗をあまりかかない状況では綿のTシャツも吸湿性が高く快適ですが、汗をかくと綿は吸湿性により暑く不快に感じるのです。ただし、同じ素材でも汗のかき方によって収着熱の影響は変わります。環境条件や個人差によっても感じ方は違ってきます」(平田さん)

 平田さんによれば、汗をかいているときは、綿のような、吸湿性が高くて、さらに繊維内部に水が入り込んで膨れ、中に水分を保持しやすく、環境へ蒸発されにくい素材より、ポリエステルのような、吸水性(繊維と繊維の隙間に毛細管現象(*2)で水を吸い上げる)と速乾性(繊維内部に水分を保持しにくいため乾きやすい)を兼ね備えた素材のほうが、熱放散が促進されやすいそうです。

「密着したポリエステル製のインナー+ゆったりしたシャツ」も〇

 平田さんらは、綿100%とポリエステル100%のインナーを用いて、それぞれ皮膚との間にゆとりがあるものと密着したものとで、発汗に伴う深部体温の変化を見る実験も行いました(*3)。

 その結果、ポリエステルでゆとりのあるインナーでは体温は0.41℃上昇したのに対して、同じポリエステルでも肌に密着したインナーでは0.30℃の上昇にとどまりました。綿はポリエステルよりも体温が高くなり、ゆとりタイプでは0.49℃、密着タイプでは0.60℃の上昇となりました(図2)。

密着したポリエステル製のインナーの場合に、体温が上がりにくいことが分かった。平田耕造ほか.被服による皮膚圧迫が体温調節反応に及ぼす影響.デサントスポーツ科学. 2003;24:3-14.より引用改変
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密着したポリエステル製のインナーの場合に、体温が上がりにくいことが分かった。平田耕造ほか.被服による皮膚圧迫が体温調節反応に及ぼす影響.デサントスポーツ科学. 2003;24:3-14.より引用改変

 「ゆとりがあるタイプは皮膚の汗をインナーの外の環境へ移動させるまでに一度蒸発させなければならないので時間がかかり、体温が上がりやすくなります。密着しているほうが汗を皮膚から繊維と繊維の隙間に素早く吸収して広げるので、汗が水蒸気となるときに熱が外へ早く逃げることになります」(平田さん)

 つまり、発汗を伴うような暑さのときは、体に密着したポリエステルのインナーを着るのがよいということです。さらに、その上に着るシャツや上着は、空気が入りやすいゆったりしたものにすれば、裾から襟元へ空気が抜ける「煙突効果」も期待でき、体温上昇が抑えられやすいといいます。

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