日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > からだケア  > Goodayクイズ  > ピロリ菌が陰性なら胃がん検診は受けなくても大丈夫?  > 2ページ目
印刷

Goodayクイズ

ピロリ菌が陰性なら胃がん検診は受けなくても大丈夫?

クイズで学ぶ「ピロリ菌と胃がん」

 日経Gooday編集部

 正解は、(3)生まれたときから一度もピロリ菌に感染したことがない人の胃がんリスクはかなり低い です。

除菌したからといって胃がんリスクがゼロになるわけではない

 多くの胃がんはヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)の感染が原因で起こることが、今や医学の世界では常識となっています。胃に棲みついたピロリ菌が胃粘膜に炎症を起こし、発がんしやすい状態(萎縮性胃炎)に変化させてしまうのです。そこで、ピロリ菌の存在を調べて、陽性の場合は複数の抗菌薬を使って除菌すると、炎症の進行が止まって胃がんにかかるリスクが下がることが分かっています。

胃に棲みつくピロリ菌は胃の粘膜を萎縮させ、胃がんを引き起こします。(写真=123RF)

 ただし、ピロリ菌の除菌でどの程度まで胃がんのリスクを下げられるかは、実はまだはっきり分かっていません。除菌した時点の萎縮性胃炎の進行度によって、その後の胃がんリスクが変わってくるため、正確な調査をするのが難しいのです。

 「除菌による胃がんリスクの低下は、だいたい30%から40%くらいだろうと言われています。リスクは下がるが、ゼロにはならないのです。この点を誤解している人が、医師の中にもかなりいるようです。『ピロリ菌を除菌したら胃がんのリスクはゼロになると言われました』という患者さんがとても多く、そのつど誤解を解くのが大変です」。がん検診に詳しい、近藤しんたろうクリニック院長の近藤慎太郎さんはそう話します。

最初から陰性でも胃粘膜の状態は確認したほうがいい

 一方、ピロリ菌検査の結果が最初から陰性の場合も、生まれてからずっと感染していないのか、ある時点までは感染していて途中で自然除菌されたのかは分かりません(注:自然除菌とは、風邪で抗菌薬を飲んだときなどに、意図せずに除菌されてしまうことをいいます)。「陰性だからといって胃がんにかからないわけではないので、胃がん検診で胃内視鏡検査を定期的に受けて、胃の粘膜の状態を確認したほうがいいでしょう」と近藤さんは勧めます。

 もっとも、生まれたときから一度もピロリ菌に感染したことがないことがはっきりしている場合は、胃がんになるリスクはかなり低いとされています。ピロリ菌の感染ルートは水と考えられており、上下水道が完備していなかった時代に生まれた人、つまり年齢が高い世代ほどピロリ菌の感染が多いことが分かっています。「衛生状態が良くなったこともあり、若者のピロリ菌感染率は減っています。今の10代の感染率は10%程度と言われているので、この世代が中高年になったときには胃がんは激減するでしょう」(近藤さん)

 現在、ピロリ菌の検査と除菌は、保険適用になっていますが、保険診療で検査を受けるには、先に胃内視鏡検査で胃の炎症(胃炎)があることが確認されていなければなりません。保険外でもかまわなければ人間ドックなどのオプションメニューでピロリ菌の検査を受けることもできますが、その際、「ピロリ菌検査を単独で受けることはお勧めしません」と近藤さんは話します。

 「ピロリ菌が陽性でも、内視鏡で胃炎などの異常所見が確認されていなければ、保険で除菌治療が受けられません。一方、ピロリ菌が陰性と分かっても、その人が生まれてから一度も感染していないのか、それとも実は感染後に自然除菌されたのかは分かりません。現在ピロリ菌がいなくても、もし以前感染していたら、胃の炎症が進んでいる可能性もあります。その場合、胃がんのリスクは高くなります。胃内視鏡検査を受けなければ、胃の炎症の有無を確認できないので、胃がんのリスクも推測できないのです」(近藤さん)

 ピロリ菌が最初から陰性でも、除菌によって陰性になった場合も、胃の状態は定期的にチェックしていくことが、胃がんの早期発見のためには大切だと言えるでしょう。

この記事は、胃がん検診、「バリウムより内視鏡」の最大の理由とは(梅方久仁子=ライター)を基に作成しました。
関連記事

先頭へ

前へ

2/2 page

がん
キーワード一覧へ

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 「中途覚醒が多く寝た気がしない」 中高年の睡眠の悩み解消術

    「睡眠の途中で何度も目を覚まし、眠った気がしない」「早朝に目覚めてしまい、その後なかなか寝付けない」――。歳をとるにつれ、そんな「中途覚醒」「早朝覚醒」に悩まされるようになったという人も多いだろう。なぜ中途覚醒は起きるのか。中途覚醒を解消して、若い頃のような「熟睡」を手に入れることはできるのか。このテーマ別特集では、中途覚醒の原因と、それを解消するための対策を一挙紹介していく。

  • 強い足腰を維持するための「骨」の強化法

    健康長寿の大敵となる「骨の脆弱化」を予防するには、若いうちから「骨を強くする生活習慣」を取り入れていくことが大切だ。このテーマ別特集では、骨が弱くなるメカニズムや危険因子、骨を強く保つための生活習慣のポイントなどについて解説していく。

  • もの忘れと認知症の関係は? 認知症リスクを下げる生活のポイント

    年を取っても認知症にはならず、脳も元気なまま一生を終えたいと誰もが思うもの。しかし、「名前が出てこない」「自分が何をしようとしたのか忘れる」といった“もの忘れ”は、中高年になると誰もが経験する。⾃分は周りと比べて、もの忘れがひどいのでは? ひょっとして認知症が始まったのか? と不安になる人も多い。このテーマ別特集では、もの忘れの原因や、将来の認知症にどうつながるのか、認知症を予防するにはどうすればいいのかについて、一挙にまとめて紹介する。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.