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Goodayクイズ

シニアの栄養状態を把握するのに最適な指標は?

クイズで学ぶ「老化と食生活」

 日経Gooday編集部

たんぱく質の栄養状態がいいグループほど老化が遅い

 熊谷さんは、平均71歳の元気なシニア女性190人を対象にして、アルブミンの値と歩行速度の関係を調べた研究を行っています。アルブミンの値によって190人を4.3g/dL以上、4.1~4.2g/dL、4.0g/dL以下の3グループに分け、最大歩行速度を8年間にわたって測り続けました。

血中のアルブミン値と最大歩行速度の関係
体のたんぱく質の栄養状態(アルブミン値)のいい人ほど、最大歩行速度の衰えの程度が少ない。対象は平均71歳の女性190人。(熊谷修ほか,日本公衆衛生雑誌. 2002;49(suppl))※影響を調整した項目:年齢、老研式活動能力指標総合点、肥満度、痛みの有無、運動習慣の有無、初回測定時の最大歩行速度

 その結果、右図のように、調査開始時のアルブミンの値が高いグループほど、最大歩行速度が衰えにくいというデータが出ています。そして、歩行速度は介護リスクと関係しているということも分かっています。つまり、たんぱく質の栄養状態を示すアルブミンの値が高いシニアは、老化が遅いわけです。

 では、アルブミンの値はどのくらいが適切なのでしょうか。検査結果の血液検査の項目を見ると、3.8~5.3g/dLあるいは3.7~5.5g/dLなどと基準値が記されています。

 「臨床医学的には3.8g/dL以上あればいいとされていますが、この下限値では少なすぎます。私たちが数多くのシニアを対象に行った調査では、最低でも4.0はないと老化のリスクが回避できないと考えています。できれば、4.3以上ほしいですね。この考え方が世界の潮流です」(熊谷さん)

 東北大学の研究グループが仙台市宮城野区鶴ヶ谷地区の70歳以上住民を対象に行った3年間の追跡調査では、住民832人をアルブミンの値により4つのグループに分け、3年以内に死亡、あるいは要介護になるリスクを比較しています。それによると、アルブミンが3.9~4.1g/dLのグループから急速にリスクが高まっていることが分かります。「このことからもアルブミンの値が4.0g/dLあたりが分岐点になると考えられます」(熊谷さん)

アルブミン値が低いほど、要介護・死亡のリスクが上がる
仙台市宮城野区鶴ヶ谷地区の70歳以上の住民832人を3年間追跡調査した結果。アルブミン値により4つのグループに分け、3年以内に死亡、あるいは要介護になるリスクを比較した。4.4以上を1として、危険度を比較した。(東口みづかほか,日本公衆衛生雑誌. 2008;55:433-439.)※性、年齢、教育歴、配偶者の有無、ソーシャル・サポートの有無、喫煙状態、飲酒状態、抑うつ、認知機能、疾患既往歴、主観的健康度を補正
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この記事は、「シニアの5人に1人が低栄養状態!? 50歳になったら食事の意識を変えていこう」(執筆:二村高史=フリーライター)を基に作成しました。
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