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Goodayクイズ

脂肪を落としたい人が意識すべき「ニート」とは?

クイズで学ぶ「エネルギー代謝」

 日経Gooday編集部

日経Gooday読者のみなさん、「カラダにいいこと、毎日プラス」していますか? Goodayクイズでは、今知っておきたい健康や医療のネタをQ&A形式でおさらいします。出題範囲は日経Goodayに掲載した記事です。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。ではさっそく、今週のGoodayクイズを始めましょう。

「エネルギー代謝」に関する問題

【問題】食事から摂取したエネルギーを消費する身体活動において、現在「ニート」という概念が注目されています。この「ニート」とは、「1日中ほとんど立ち歩かずに過ごす人の活動量」のことである。これってホント? ウソ?

  • (1)ホント
  • (2)ウソ

 正解は、(2)ウソ です。

ニートとは、運動以外の身体活動によるエネルギー代謝のこと

 私たちが食べたものは、体の中で消化・吸収され、活動するのに必要な成分に変換されます(エネルギー代謝)。このエネルギー代謝のうち、60~70%は生命維持のための「基礎代謝」が、20~30%は運動や日常生活での「身体活動時代謝」が占めています。残りの10%は、食べたものを消化・吸収するときに使われる「食事誘発性熱産生(DIT:Diet Induced Thermogenesis)です。

 この「身体活動時代謝」のうち、運動を除いた日常生活の活動による代謝を、「非運動性身体活動時代謝」と呼びます。この「非運動性身体活動時代謝」の別名が「ニートNEAT;non-exercise activity thermogenesis)です。NEATはつまり、家事やオフィスワーク、立ち座り、階段の上り下りなど、運動とは呼べないような日常生活活動によるエネルギー代謝全般を指します。

これが注目の「NEAT(ニート)」だ!
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 エネルギー消費に関わるものとして、多くの人がまず思い浮かべるのは運動ですが、「実は、運動によるエネルギー消費は、皆さんが考えているほどには多くありません。毎日スポーツをしたり、何時間もジムで運動できるかというと、現実的ではないですからね。運動でやせたいなら、併せて食事の量を減らすことが大切です」と東京医科歯科大学臨床教授の宮崎滋さんは指摘します。

 運動でやせるのは案外ハードルが高い。そこで最近注目されているのが、NEATなのです。「特別な運動をしなくても、NEATを増やせば、肥満や糖尿病、メタボリック・シンドロームなどを防げる(*1)ことが分かってきました」(宮崎さん)。

 例えば、肥満の人と肥満でない人のNEATを比べると、肥満の人の方が1日350kcal少なかったという研究があります(*2)。350kcalはいちごのショートケーキ1個分のエネルギーに相当します。1週間で2450kcal、1カ月で1万500kcalと考えると意外と侮れません。

 また、同じ研究で、肥満の人は、肥満でない人よりも座っている時間が1日当たり164分長く、立っている時間が152分短いことも報告されています。

 肥満の人は、ソファに座ってテレビを見て、携帯電話を操作しながらお菓子を食べて、暑くなったらリモコンでエアコンをつけて…と必要なものを全て手の届く範囲に置き、動かなくていい状態を作っていることが多いもの。「こういったコックピットにいるかのような生活は肥満の元」と宮崎さんは指摘します。

 ちりも積もれば山となる。通勤の際、電車やバスは1駅前で降りて歩く、駅やオフィスではエレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使う、こまめに掃除をするなど、「ちょっとした動き」でNEATを増やし、エネルギーを消費することを心がけてみましょう。

この記事は、「体脂肪を落とすカギは“代謝”!なかでも意識すべき「ニート」って何?」(執筆:村山真由美=フリーエディター・ライター)を基に作成しました。
*1 厚生労働省(e-ヘルスネット)のアクティブガイド
*2 Levine JA, et al. Science. 2005;307:584-586.
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