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Goodayクイズ

「尿たんぱく」が陽性! その意味するところは?

クイズで学ぶ「慢性腎臓病」

 正解は、(1)糸球体が傷ついているです。

慢性腎臓病は重症になるまで自覚症状が出ない

 腎臓が傷ついたり、働きが低下したりする慢性腎臓病(CKD)の患者数は約1300万人にも上るといわれています(2008年日本腎臓学会調べ)。透析患者も32万人を超え、この40年間でなんと25倍に増加しました(2015年日本透析医学会調べ)。

 慢性腎臓病は重症になるまで自覚症状が出ないため、検査値の異常を放置していると、いつの間にか、腎不全だけでなく脳卒中心筋梗塞のリスクが上昇する怖い病気です。「なんだか体調がすぐれないといって受診したら、既に末期腎不全になっていて、その日から透析療法が必要になる人もいるのです」と、腎臓病に詳しい地域医療機能推進機構(JCHO)東京高輪病院院長の木村健二郎氏は話します。

 では、腎臓の異常に早めに気が付くためには、どんなサインに気を付ければいいのでしょうか。

 「健康診断で腎臓の状態を知るために重要な指標は、尿たんぱく血清クレアチニンの2つです。慢性腎臓病の診断と重症度の判定は、これらの検査値に基づいて行われます」(木村氏)。

糸球体が傷つくと、尿にたんぱくが漏れ出してくる

 慢性腎臓病では、大きく次の2つのことが起こっています。

  1. 腎臓の傷害(血液のフィルターの役割を果たす糸球体が傷ついている)
  2. 腎臓の働きの低下(正常に働く糸球体の数が減り、全体のろ過量が低下している)

 このうち、糸球体が傷ついているかどうかが分かるのが、尿検査の「尿たんぱく」の項目です。これが陽性(+)になるということは、糸球体が傷ついた結果、尿の中に本来漏れ出してはいけないたんぱくが漏れ出していることを意味します。

[画像のクリックで拡大表示]

 尿たんぱくは陽性の度合いが大きいほど、腎臓の傷害の程度が大きいことが疑われ、その後の17 年間に透析導入となる割合は、(3+)以上の人で16%、(2+)の人で約7%という報告もあります(*1)。それと同時に、心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクも高まります。尿たんぱく陽性の状態が3カ月間続けば、慢性腎臓病と診断されます

 一方、腎臓の働きの低下は、血液検査の血清クレアチニンの値が上昇することで分かります。「クレアチニンは、筋肉でつくられる体内老廃物の1つです。腎臓でのろ過量が低下すると、血液中のクレアチニン濃度が上がってきます」(木村さん)

 慢性腎臓病の診断では、この血清クレアチニンの値を特定の計算式に当てはめ、「推算糸球体ろ過量(eGFR)」という値を求めます。eGFRが60(mL/分/1.73m2)未満の場合、腎機能が正常の60%未満に落ちていることを意味し、eGFRが60未満の状態が3カ月以上続けば、やはり慢性腎臓病と診断されます

 日本慢性腎臓病対策協議会のホームページなどでは、血清クレアチニン値と年齢、性別を入力すればeGFRを自動的に算出できる機能があるので、クレアチニンの値が分かったら、自分のeGFRを求めてみましょう。もし60を切っていたら、それは危険信号です。

 健診で尿たんぱく陽性、血清クレアチニン高値(eGFR低値)などの異常があったら、まずは医療機関に相談することが大切です。腎臓は、一度その機能が失われると、人工透析、そして心筋梗塞や脳卒中の発症へと、坂道を転がり落ちるように悪化していきます。症状がないからという理由で受診を先延ばしにするのは危険です。

この記事は、特集「腎臓からの危険信号を見逃すな!」の「腎機能の低下は生命の危機、症状が出てからでは遅い」および「『尿たんぱく』と「クレアチニン』は必ずチェック!」(塚越小枝子=フリーライター)を基に作成しました。
*1  Iseki K, et al. Kidney Int. 2003;63:1468-1474.
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