腰痛を引き起こす日常生活の要因は3つ
日常生活のなかで腰痛を引き起こしやすい要因は、「腰の動きすぎ、動かなすぎ、そして体の硬さの3つです」と山口さんは主張します。
腰の「動きすぎ」というのは、重い荷物を持ち上げたり運んだりする動作を繰り返すなど、腰を酷使し、負担をかけているということ。一方、「動かなすぎ」というのは、前述のように、腰をまったく動かさない状態が長く続くことで、睡眠中に寝返りが少ない場合や、デスクワークで座りっぱなしの場合のこと。「体の硬さ」というのは、関節の可動域が狭く、柔軟性が低いことを意味します。
「体の硬さ」が与える影響について、山口さんは次のように解説します。
「脊椎の可動域が広い人、つまり背骨が柔らかい人は腰痛になりにくいんです。股関節の柔軟性も重要です。股関節が硬い人は、床の上であぐらをかくと背筋を伸ばすことが難しいため、背骨が曲がった悪い姿勢になってしまいます。ほかにも、寝返りを打つ場合、体が硬い人はより多くの筋力が必要になります。その結果、寝返りが少なくなり、同じ姿勢で眠り続けるため、朝になって腰痛を起こしやすくなると考えられます」(山口さん)
こうした「体の硬さ」を解消し、腰の痛みを改善するために、山口さんらは“4種類のストレッチ”を考案しました。実際に慢性腰痛の患者さんを対象にした臨床研究でも、効果が実証されているそうです(「臨床試験で実証、これが慢性腰痛に効く4つの簡単ストレッチ」参照)。