正解(関節リウマチの記述として間違っているの)は、(4)炎症を食い止める薬はなく、対症療法が中心 です。
20年前に関節リウマチの早期治療への道が開いた
関節リウマチは自己免疫疾患である膠原(こうげん)病の一種で、全国の患者数は推定で70~80万人、4対1の割合で女性に多い病気です。発症すると四肢(手や足)の関節に炎症を起こし、腫れや激しい痛みをもたらします。持続する炎症が関節の軟骨や骨を少しずつ破壊し、関節の機能が失われたり、関節の変形をもたらしたりするのが特徴です。

関節リウマチは、1980年代までは関節の炎症を食い止める治療薬はなく、痛みを軽減する対症療法と、骨・軟骨破壊が進んで機能の失われた関節を人工関節に置き換える手術治療などが中心でした。治療が大きく変わったのは、およそ20年前のことです。
抗がん剤として使われていたメトトレキサートという薬剤を少量使うことで関節の炎症を抑えられることが分かり、日本では1999年に治療薬として使われ始めました(商品名:リウマトレックスほか)。さらに2003年から生物学的製剤という新たな薬剤が次々と登場し、メトトレキサートで効果の出にくい人にも有効な治療が行えるようになりました。
山王メディカルセンター院長の山中寿さんは「関節リウマチによる炎症は四肢のあらゆる関節に起こりますが、早期発見につながることが多い症状は、朝起きたときに見られる手指のこわばりです」とアドバイスします。
これは起床後、指の関節が曲げにくく、伸ばしにくくなる症状。重いものを持ったり、テニスのラケットを強く握ったりしたときにも同様の症状が起きますが、その場合は数分で症状がなくなります。それに対して関節リウマチの場合は、起床後30分から1時間ほど続き、手指を動かしているとやがて症状は消失するのが特徴です。
「眠っていて手を動かさないでいると、関節内に炎症物質がたまるため、こわばりが起きると考えられます。関節を動かしているとポンプのように作用して炎症物質が排出されるため、しばらくすると症状が治まるのです」(山中さん)
手指の「朝のこわばり」や痛みのほか、起床後、服のボタンが外しにくいといった指の症状、ドアのノブが回しにくいといった手首の症状などが2週間以上続くようなら、一度、病院の「リウマチ科」で相談するとよいでしょう。
手指の関節の痛みは、中高年女性では、加齢が原因の関節の病気であるヘバーデン結節やブシャール結節でもよく見られますが、医師が指の関節を触って診ることで、関節リウマチかどうかが判断できます。関節リウマチの場合は、複数の関節が「腫れて痛い」「押すと痛い」状態にあり、指の関節が炎症によりゴムのように柔らかく腫れているからです。
(図版:増田真一)