正解は、(2)上半身を前傾させる です。
「直腸の周りには、便がやってきたことを感知するセンサーが多数あります。このセンサーが脳にシグナルを送って、脳が便意を感じるのです」と話すのは、社会保険中央総合病院大腸肛門病センター部長(取材当時)の山名哲郎さん。センサーからのシグナルは途中で二手に分かれ、一方は脳へ届きますが、もう一方は背骨(仙髄)でUターンして肛門を締める筋肉に向かい、筋肉をゆるめさせるといいます。
肛門を締める括約筋は、自動的にゆるむ内側の筋肉と、自分の意志で動かせる外側の筋肉の二重構造になっています。「肛門を締める力の8割は、内側の括約筋が担っています。便意を感じたら、ある意味で排泄はもう始まっているのです」と山中さん。
便意を感じても、排泄を止めておく筋肉はもう一つあります。直腸を前方に引っ張る、「恥骨直腸筋」というループ状の筋肉です。括約筋とダブルの作用で便をキープしますが、いざ出すときになると、今度はこの筋肉が少し邪魔になるといいます。
「恥骨直腸筋の筋肉の働きで、普段から直腸はほぼ直角に曲がっています。この角度をゆるめないと、スムーズに排便しにくいのです」(山名さん)。ゆるめるには、様式便座なら座った状態で、上半身を前傾させるのがいいそう。「おそらく和式便器なら、自然にこういう状態になるはずです」(同)。
呼吸を止めて息むのは、内臓や筋肉に負担をかけるので、好ましくないといいます。
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◆スゴイカラダ
便意はどうやって感じる? どう我慢する?