いつもお酒を飲んでいる人ほど、血圧は高くなる
正解は、(1)血圧は高くなるです。
現在、国内で「高血圧」と推定される人は4300万人にのぼります。中でも、特に注意すべきは中高年の男性です。血圧は年齢とともに上昇する傾向があり、男性の場合、50歳を過ぎると5割近くが高血圧に該当します。読者の中にも、高血圧と指摘されている人は多いでしょう。
「塩分」のとり過ぎが血圧を上げることは有名ですが、それだけでなく血圧は飲酒(アルコール)とも密接に関わっています。
『高血圧にならない、負けない生き方』の著者で、高血圧やヒートショックなどに詳しい横浜労災病院院長の梅村敏さんは、「アルコールと血圧の関係性は深く、常日頃から飲んでいる人ほど高くなる傾向にあります。1日あたりのアルコール摂取量に比例して血圧が高くなります。これは人種や酒類に関係なく共通して言えることです」と話します。
梅村さんは、アルコール常飲者は血圧に注意が必要で、定期的に血圧チェックを欠かさないほうがいいと話します。
「そもそも血圧は年齢とともに上昇する傾向にありますが、仕事上のストレスが多い50代男性は一気に高血圧が増えます。アルコール常飲者は今は高血圧ではなくても、今後高血圧になる可能性が特に高いのです」(梅村さん)
アルコールは一時的に血圧を下げる
このように、日々お酒を多く飲み続けると、恒常的な高血圧になるリスクが高まるわけですが、実は、飲んだ直後には、一時的に血圧は下がります。
「飲酒には、“一時的”に血圧を下げる作用があります。アルコールを飲むと、アルコールの代謝生産物のアセトアルデヒドの血中濃度が増えることで、血管が拡張し血圧が下がるのです。この血圧低下に反応し血圧維持のため、交感神経系が活性化し、脈が増加すると考えられます」(梅村さん)