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Goodayクイズ

フィギュアスケート選手がスピンで目が回らない理由

クイズで学ぶ「カラダのメカニズム」

 日経Gooday編集部

日経Gooday読者のみなさん、「カラダにいいこと、毎日プラス」していますか? Goodayクイズでは、今知っておきたい健康や医療のネタをQ&A形式でおさらいします。出題範囲は日経Goodayに掲載した記事です。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。では早速、今週のGoodayクイズを始めましょう。

体のメカニズムに関する問題

【問題】ジャンプやスピンなど、氷上で美しく舞うフィギュアスケート選手は、高速で回転しても目が回らないといいます。目が回らない理由として間違っているのは次のうちどれでしょう。

  • (1)練習を繰り返すことで三半規管が慣れるから
  • (2)回転による神経の興奮を小脳が抑えるから
  • (3)「回転している」という情報が脳に伝わらないから

 正解、つまり、目が回らない理由として間違っているのは、(3)「回転している」という情報が脳に伝わらないから です。

プロのフィギュアスケート選手は回転マシンに5分間座ったままでも平気だったといいます。(©Alexander Kaludov-123RF)

 「実際、プロのフィギュアスケート選手は目は回らないんですよ」と話すのは、めまいの仕組みに詳しいJCHO(ジェイコー)東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科部長の石井正則さん。プロのフィギュアスケート選手は回転マシンに5分間座っていても、まったく平気だったといいます。「普通の人なら1分もしないうちに眼振(がんしん*)が起こって、目が回ってしまいます」(石井さん)。

 私たちの体には、いろいろな姿勢や動作の最中でも、ふらついたり、転んだりしないようにバランスを保つ平衡機能が備わっています。中でも、耳の奥の内耳にある三半規管は、3つの半規管からなり、水平・垂直方向の向きと回転加速度を感知しています。

 ここで体の動きを敏感にとらえるセンサー役を果たしているのが、リンパ液で満たされた三半規管の根元の膨大部にある「クプラ」という器官。頭を動かすと、半規管内のリンパ液が揺れ、それにつれてクプラもたなびきます。この動きが回転情報となって神経に伝わり、脳にある脳幹、さらには運動機能を司る小脳へと伝達されます。

 「フィギュアスケート選手が回転したときも、同じように情報は小脳に伝わりますが、その情報を打ち消すような反応が起こります。GABA(ギャバ)という神経伝達物質が小脳から脳幹へ分泌され、神経の興奮を抑えてしまうのです。この結果、目が回らないというわけです」(石井さん)

 では、なぜこのような現象が起こるのでしょうか。それは“訓練効果”だという。来る日も来る日も回転練習を繰り返すことで、4回転ジャンプも高速スピンも、日常生活動作と変わりがないと脳が判断するようになってしまうのです。

*眼振(がんしん)とは、眼球が左右や上下に小刻みに振動すること。目を回している人の瞳をのぞきこむと、眼球が左右上下に忙しく動いているのがすぐに分かります。

 さらに詳しい解説はこちら。

◆ おとなのカラダゼミナール
フィギュアスケート選手はなぜ目が回らないの?

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