正解は、(2)3年 です。

ふたばクリニック(東京都新宿区)院長の橋口一弘さんによると、「花粉症は、飛んでいる花粉をただ吸い込むだけでは発症しません。毎年吸い続けるうちに、花粉を異物として認識する抗体(スギ花粉であれば「スギ花粉特異的IgE抗体」と呼ばれる)が体の中で作られるようになります。この抗体の量がある一定レベルに達したところで、花粉が体に入ると、免疫システムが作動し、異物である花粉を排除すべく、一斉攻撃(アレルギー反応)が始まるのです」。それが、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状として現れます。
このアレルギー反応のメカニズムは、しばしば「コップと水の関係」で説明されます。体内で抗体(水)が作られ、コップの中にたまっていきます。コップの中にあるうちは、その人の免疫システムは正常に働いていますが、その人のキャパシティ(コップの容積)を超えてあふれると、花粉を異物と認識したアレルギー反応が始まる―と例えれらます。抗体を持っていても生涯、アレルギー反応を起こさない人もいますが、そういう人たちは「コップが大きい」と解釈されています。
個人差があるにせよ、大量飛散年には、花粉の抗体を持っていても発症していない“予備軍”の中から花粉症にデビューする(発症する)人が増える傾向はあるといいますので、心の準備は必要です。
ちなみに、日本スギが存在しない国から来た人は、早くて約3年以上日本に滞在した頃にスギ花粉症を発症するといいます。毎年、春に花粉を吸い続けて抗体ができて発症するまでの最短期間は、3年が一つの目安のようです。
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◆季節の病気を上手に防ぐ
花粉飛散でヒサンな春への対処のしかた