正解は、
(2)衣類を脱いだらすぐに湯船につかる です。

一般に、血圧は暑い場所では下がり、寒い場所では上がる特徴があります。寒い時は体温を下げないように血管が収縮して血圧が高まりますが、暑い時は熱を放出して体温を下げようとして血管を広げ、発汗も加わって血圧が下がります。
血圧の変動があまりに大きすぎると、急激に心臓や脳に負担がかかり、「脳卒中」「心筋梗塞」などによる突然死を起こすリスクが高まります。特に冬は、屋内であっても場所によっては寒暖差が大きく、血圧も上下しやすい環境を作ってしまいます。その危険性の高い典型的な場所がお風呂。入浴時には脱衣場と風呂場、湯船の中と温度差が大きくなるため、急激に血圧が上下しやすくなります。
- 温かい部屋から寒い脱衣所に行くと血圧が上がる
- 熱い湯船に入ると交感神経が緊張し、血管が収縮して血圧がさらに高くなる
- ゆっくり湯につかるうちに血圧が下がる
- 湯船を出て体が急速に冷えると再び血圧が上がる
このような急激な温度の変化で、身体がダメージを受けるのが「ヒートショック」で、血圧変動も強く関係しています。
横浜市立大学附属病院腎臓・高血圧内科 診療科部長・主任教授の梅村敏さんによる、ヒートショックを防ぐための入浴時の工夫に次のようなものがあります。
脱衣所や浴室内を温めておく | 脱衣所に小型ヒーターを設置し、浴室内は湯船の蓋を先に開けておいたり、シャワーの湯気で温めたりすると、寒暖差を最小限に抑えることができる |
---|---|
湯温は41℃以下にとどめる | 寒い季節こそ、衣類を脱いですぐ熱い風呂にドボンと入りたいと思うもの。これをぐっとこらえて、かけ湯をしながら入ろう。冷水浴やサウナは温度差が激しく危険なので避けること |
食事の直後や飲酒後の入浴は控える | 食事やアルコールを飲んだ直後は血圧が下がりやすいので、温度差の大きい場所に身を置かないよう気をつけよう |
ヒートショックを起こしやすいのは、血管が弱くなっている高齢者だけと思いがちですが、40代以降のビジネスパーソンも決して他人事ではありません。
さらに詳しい解説はこちら。
◆季節の病気を上手に防ぐ
怖い入浴中の突然死、ヒートショックはなぜ起こる?