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Goodayクイズ

肝臓がんになりやすいのはどんな人?

クイズで学ぶ「肝臓がん」

 日経Gooday編集部

 正解(間違っているもの)は、(4)死亡率は増加傾向にある です。

ウイルス性肝炎の減少と肝炎治療の進歩で肝臓がんの死亡率は低下

 「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓にできる肝臓がんの患者数(人口10万人対の罹患率)は近年減少傾向にあり、それに伴って肝臓がんの死亡率(人口10万人対)も下がってきています(図1)。その理由の1つは、肝臓がんの原因の多くを占める、C型・B型の肝炎ウイルスの感染者が減ったことです。

図1 日本人のがん罹患率・死亡率の推移
図1 日本人のがん罹患率・死亡率の推移
がん全体で見ると、肝臓がんの罹患率は4位だが、死亡率は4位から5位に下がっている。(罹患率:国立がん研究センターがん情報サービス、死亡率:厚生労働省 令和元年人口動態統計より)
[画像のクリックで拡大表示]

 肝炎ウイルスに感染すると、肝炎、肝硬変、そして肝臓がん、という経過をたどっていきます。しかし近年は、肝炎ウイルスの感染者が減り、一方で肝炎ウイルスを除去する治療が飛躍的に進歩し、特にC型肝炎ではウイルスをほとんど駆除できるようになったことから、肝臓がんで亡くなる人も減ってきているのです。

 「ただし、死亡率は劇的に減少したわけではありません。なぜなら、ウイルス性肝炎が減る一方で、脂肪肝を原因とする、新しいタイプの肝臓がんが増えているからです」。順天堂大学医学部附属順天堂医院肝・胆・膵外科教授の齋浦明夫氏はそう話します。「脂肪肝からくる肝臓がんは、ウイルス性肝炎とは違う仕組みで発生しますが、はっきりしたことはまだ分かっていません」(齋浦氏)。

酒量の多い人、糖尿病の人、高齢者も高リスク

 肝臓がんの症状として有名なのは、皮膚や白目の部分が黄色くなる黄疸です。しかし、この症状は肝機能が半分以上落ちないと出ないため、肝臓がんは無症状で進むのが原則です。「多くの場合、見つかる契機となるのは、黄疸などの症状ではなく、定期的な健康診断です。腹部エコー(超音波)や肝機能を調べる血液検査など、しかるべき検査を毎年受ければ、症状が出る前に肝臓がんを発見する可能性が非常に高いと思います」(齋浦氏)。

黄疸などの症状が出る前に、腹部エコー(超音波)検査や肝機能検査で早めの発見を。(写真=123RF)
黄疸などの症状が出る前に、腹部エコー(超音波)検査や肝機能検査で早めの発見を。(写真=123RF)

 肝臓がんは再発が多く、肝臓がんと診断されてから5年後の生存率は約45%です。治療の選択肢は手術以外にも、ラジオ波の熱でがんを焼くラジオ波焼灼療法などさまざまあり、患者の年齢や体力、手術できれいに取れるか、転移はないか、肝臓にどのくらいの予備力(*1)があるかなどを考慮して決定します。近年はレンバチニブ(商品名レンビマ)やベバシズマブ(商品名アバスチン)といった分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬のアテゾリズマブ(商品名テセントリク)も登場し、肝臓がんの治療に大きなパラダイムシフトをもたらしています。

 肝臓がんは、C型・B型肝炎に感染している人、脂肪肝のある人のほか、アルコール摂取の多い人、糖尿病の人、高齢者などにおいても発症リスクが高いことが分かっています。したがって、肝臓がんの予防のポイントは、過剰な飲酒をしない、糖尿病を悪化させない、肥満を解消して脂肪肝を改善するなどになります。進行した肝硬変がある場合を除き、運動も推奨されています。「軽度の運動により、体重が減る前に脂肪肝が改善することが分かっています」と齋浦氏は話しています。

*1 肝臓では、肝細胞が多少傷んでも他の部分が機能を肩代わりすることができる。この余力のことを予備力という。
この記事は、転換期を迎える肝臓がん 死亡率は減少し、新たな治療薬も登場(田中美香=医療ジャーナリスト)を基に作成しました。
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