意外に気づかない… 自分はワキガなの!?
3つのチェック法で体質を判定
伊藤和弘=ライター
薄着になり、汗をかく機会も多い夏は、一年で最も「体臭」が気になる季節だ。気になる体臭をどうやって抑えればいいのだろうか。前回は、体臭のチェック法を示し、食事の改善やストレス対策、服のメンテナンスなど、体臭を抑えるための日常生活の改善法を紹介した。それでも効果が上がらない場合は、ワキガを疑ってみよう。原因が体質にある場合は、治療を受けないと臭いは改善できない。
体中にある多くの汗腺は「エクリン腺」というが、腋の下には「アポクリン腺」という汗腺があり、脂質やタンパク質の濃度が高いネバネバした汗を出す。これがワキガの大きな原因だ。アポクリン腺の数は個人差が大きく、たくさん持っている人がワキガということになる。
ワキガかどうかは耳垢などからチェック
「自分の臭いには慣れてしまうから、ワキガだったとしても気が付いていない人は意外と多い。しかし、自分がワキガかどうかはアポクリン腺の多さで客観的にチェックできる」と五味院長は指摘する。以下、3つのチェック方法を紹介しよう。
(1) 耳あかが湿っている
外耳道(耳の穴)にはエクリン腺がない。そのため、アポクリン腺が少ない人は耳あかがカサカサに乾いている。日本人はこのタイプが7割以上。それに対して、アポクリン腺が多い人は外耳道にその類似汗腺があるため、耳あかが湿っている。耳あかがペースト状の、いわゆる「濡れ耳」は白人や黒人に多く、これらの人々はワキガ体質の比率が高い。
(2)腋毛(わきげ)が濃い
アポクリン腺は腋毛が生えている毛穴にある。そのため、腋毛が濃い人は薄い人よりもアポクリン腺が多くなる。ただし、いくら腋毛が濃くても、耳あかが乾いていればワキガ体質ではない。
(3) 肌着の腋の部分が黄ばむ
アポクリン腺の分泌物にはリポフスチンという色素成分が含まれている。そのため、ワキガの人は肌着の腋の部分に黄色いシミができてしまう。緊張すると腋の下に大量の汗をかく人がいるが、汗の量はワキガと関係ない。
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- ワキガは注射や手術で抑えられる