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一から学ぶ、認知症

認知症の学習療法 「効く」と信じる工夫で意欲が向上

学習療法を取り入れたデイサービス 現場リポート

 伊藤左知子=医療ジャーナリスト

毎回必ず「効果」について説明するワケ

読み書きや計算は、少し考えれば解けるレベルの問題になっている
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 10時からは学習療法の時間。学習療法は、1人の支援者(スタッフ)が2人の学習者(利用者)を担当する。最初に、支援者は学習療法がなぜ認知機能の維持・改善に効果的なのかを説明する。学習療法を行うと、脳の前頭前野と呼ばれる部位を中心に脳全体が活性化する。それを脳の磁気共鳴画像装置(MRI)画像で示し(活性化している部位は赤く染まる)、学習療法の効果を学習者に納得してもらうのだ。

 学習療法を始める前に、期待できる効果を説明しておくことで、学習者は普通なら簡単すぎると感じるテストでも、脳のトレーニングになると納得して取り組める。同じ説明を毎回行うのは、学習に対する意識を高めるためと、前回説明したことを忘れてしまっている可能性があるからだ。

 学習療法で行うのは、前回の記事で紹介した認知症予防のための教室の内容と基本的に同じ。読み書き、計算のテストと「すうじ盤」の3項目だ。

 読み書きは声を出して文章を読んだり、言葉の書き取りをするテスト、計算はたし算、ひき算などの問題を解くテスト。これらは知識を増やす勉強のためではなく、あくまでも認知機能の維持・改善を主眼に据えた脳のトレーニングが目的だ。そのため学習者の認知レベルに合わせて、少し考えれば解ける問題が提供される。支援者がさりげなくヒントを出すなど、コミュニケーションを取りながら行うことにより、全員が100点を取れるようにしている。

 すうじ盤はゲーム感覚で行う脳のトレーニングで、数字が順番に書かれたシートの上に、同じ数字が書かれた磁石入りのチップを選んで置いていくゲームだ。こちらも脳を活性化させるために行う。最後に支援者と学習者が家であったことや最近関心のあることなどについて世間話をする。このコミュニケーションの時間を経て一連のプログラムが終了する。所要時間は約30分。1回に2組4人の利用者が学習療法のプログラムを受け、30分ごとに交代して全員が行う。

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