治療で改善する「うつ病性仮性認知症」ってどんな病気?
テレビでも話題の「新型認知症」の正体とは
初期の認知症、軽度認知障害(MCI、前回記事「認知症の一歩手前、軽度認知障害とは?」を参照)を疑われた人の中には、うつ病が原因で認知症のような症状が起こっている場合もある。このような状態は「仮性認知症」として認知症とは別に考える必要がある。今回は治療によって大幅な改善が望める「仮性認知症」について紹介する。
治療で改善!うつ病が原因の仮性認知症
前回は、初期の認知症、軽度認知障害(MCI、前回記事「認知症の一歩手前、軽度認知障害とは?」を参照)について紹介したが、軽度認知障害を疑われた人の中には、うつ病が原因で認知症のような症状が起こっている場合もある。
仮性認知症とは、うつ病が原因で発症するもので、最近、テレビの健康番組などで「新型認知症」として取り上げられ注目を浴びている。「これは認知症とはまったく異なるメカニズムで起こるもので、早期発見、早期治療で劇的に改善が望めます」と話すのは、メモリークリニックお茶の水の院長で、東京医科歯科大学特任教授の朝田隆さん。
「『新型』と呼ばれたりしますが、仮性認知症は以前から知られている病気で、社会の高齢化に伴い近年増加しています。通常の認知症とは治療法が異なるので、診断では、うつ病、もしくは認知症であるか否かの判別が重要になってきています」と朝田さん。うつ病性仮性認知症は以前、たとえ放置しても本格的な認知症には移行しないといわれていたが、適切な対処をしないと、加齢などに伴い本当の認知症を起こすリスクが高いことが最近になって分かってきた。つまり、うつ病性仮性認知症は認知症予備軍といえるのである。
では、うつ病性仮性認知症と、認知症は、どこが違うのだろうか。