アルツハイマー、脳血管性…認知症の種類で異なる「食事トラブル」
料理を小分けに、逆にワンプレートに…と対策いろいろ
伊藤左知子=医療ジャーナリスト
詰め込み食べしてしまうような前頭側頭型認知症の患者の場合は、料理を一皿にまとめるより、小皿に少しずつ分けたほうが少量ずつ食べられるので窒息予防に適している。一方、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の場合は、多くの皿を一度に出すと何が何だか分からなくなる傾向があるので、料理をワンプレート料理や丼物のように一皿にまとめたり、柄の少ない皿にのせるなどして情報量を減らすことで、混乱が減りうまく食べられる可能性が高くなるという。
むせて上手に食べられない脳血管性認知症では動作の障害から複数の皿を適切に扱えず、うまくすくえないこと(お椀をひっくりかえしてしまうなど)もあるので、ワンプレート料理が適しているケースもある。また自助食器(食べる動作に障害のある人のために工夫された食器)を使うことも試してみてほしい。
認知症の種類によって異なる食事の問題。それぞれの特徴に合った対応ができるよう工夫してみてはいかがだろうか。
東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と介護予防研究チーム研究員、歯学博士、歯科医師
