「認知症は、とても奥深い病気です」【作家・中島京子さん】
小説『長いお別れ』の著者・中島京子さんに聞く 「親の認知症」前編
聞き手:伊藤左知子=医療ジャーナリスト
これは、子どもたちだけで遊園地に来た幼い姉妹が、メリーゴーランドに乗りたいのだけれど、大人が一緒でないと乗れない。そこに、どうしてここにいるのか、何をしに出てきたのか、どうすれば帰れるのかを忘れて立っていた老人が居合わせて、姉妹と一緒にメリーゴーランドに乗るという話ですよね。この老人が、小説の中心となる認知症を患っている昇平ですが、彼に中島さんのお父様を重ね合わせているのでしょうか?