知っておきたい、糖尿病と認知症の“危険な関係”
糖尿病のある人は「段取り能力」の衰えに注意
東京医科大学病院副院長・認知症疾患医療センター長 羽生春夫氏
血糖値をコントロールすることが最も重要
糖尿病の人は、どうすれば認知症になるのを防げるのでしょうか? まずは「血糖値のコントロール」をうまく行うことです。運動療法、食事療法が基本ですが、必要に応じて糖尿病治療薬を使って、血糖値が正常域内になるようにコントロールします。食後に高血糖状態になることや、血糖値が一日の中で大きく上下することは、認知症のリスクになります。一方で、薬物治療を行うと、血糖値を下げすぎることによる「低血糖発作」が起こるリスクもあります。特にインスリン治療でそのリスクが高いといわれています。低血糖発作は脳の神経細胞にダメージを与えるので、こちらも防がなければなりません。