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一から学ぶ、認知症

5年後、認知症になる確率は? チェックリストで確認を

できない項目を減らすことが認知症予防につながる

 伊藤左知子=医療ジャーナリスト

チェックリストの効果的な活用法は?

 チェックリストの中には、行動を変えることで避けられるものと、「年齢が75歳以上」のように避けられないものがある。例えば、75歳以上の人はそれだけで3点になるが、それ以外の項目が0点であれば、5年間で認知症になるリスクは3.3%にとどまる。

 「このチェックリストは『9点以上だから5年以内に認知症になりますよ』と恐怖をあおるためのものではありません。13項目のうち、以前はやっていたけれどもやめてしまったものがあれば、もう一度挑戦してみるとか、あるいは今まで料理をしたことがないけれど、料理教室に入って挑戦してみようなど、できそうなことをして将来のリスクを下げましょうというものです。つまり生活を見直す目安として使っていただければと思っています」と竹田さん。

 「スポーツ的活動へ参加していますか」「食事の用意をすることはできますか」「新聞を読んでいますか」といった項目は、自分の意思次第で、「いいえ」を「はい」に変えることが可能だ。

 「このチェックリストは基本的には65歳以上を対象としていますが、脳の変化は40歳代から起こり始めます。認知症が心配な65歳以上の親世代と一緒に、子世代も早い時期から予防にいい行動を取り入れるとよいでしょう」(竹田さん)

 親が「まだ認知症なんて早い」とチェックリストに向き合ってくれない場合でも、親の行動を観察することで、子が親の認知症リスクをチェックすることもできる。もし、スポーツなど行動を変えることでリスクを減らせる因子があれば、「一緒に体操教室に行こう」などと誘うのもいいだろう。

 また竹田さんらは、別の調査において1市4町に在住の65歳以上の高齢者9720人を2003年から2006年の3年間追跡調査し(*2)、「園芸」や「旅行」が認知症予防によい趣味であることも2010年に発表している。「趣味に着目したこの分析では、園芸や旅行は予防効果が大きいという結果になりました。これらの活動は、計画を立てたり、ときには仲間と行ったりする社会性が含まれる点が認知症予防によいのではないかと考えられます」と竹田さんは推測する。

 「まずはチェックリストに基づいて13項目のうち、できることから始めてみてください。そのうえで、園芸や旅行、ウオーキングなどの認知症予防によいといわれている活動をグループで行うことを加えることで、より高い予防効果も期待できると思います」と竹田さん。

 認知症リスクのチェックリストは壁や手帳に貼るなどして、ときどきグループでチェックし仲間で予防に取り組むのがお勧めだという。まずは気軽な気持ちでチェックリストにトライしてみてはいかがだろうか。

*2 日本公衆衛生雑誌 2010;57(12):1054-1065.
竹田徳則(たけだ とくのり)さん
星城大学リハビリテーション学部教授 同大大学院健康支援学研究科研究科長 作業療法士 日本福祉大学大学院社会福祉学研究科後期博士課程修了、博士(社会福祉学)
竹田徳則(たけだ とくのり)さん 名古屋市厚生院、有馬温泉病院、茨城県立医療大学保健医療学部助教授などを経て、2005年星城大学リハビリテーション学部教授に。高齢者の健康支援や介護予防・認知症予防に向けたリハビリテーションと作業療法を専門とする。

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