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一から学ぶ、認知症

その薬の飲み忘れ 「認知症の始まりかも」を考えよう

認知機能が低下した高齢者の薬の飲み忘れとその対策(1)

 伊藤左知子=医療ジャーナリスト

 高齢者で認知機能が低下してくると心配になるのが薬のこと。別々に暮らしている親は薬をちゃんと飲んでいるのだろうか。飲み忘れて病気が悪くなったりしていないだろうか。今回は認知機能が低下してきた高齢者の薬の飲み忘れとその対策について紹介する。

「単なる飲み忘れ」と、「認知症が疑われる飲み忘れ」の違いとは?(©Dmitry Lobanov-123rf)
「単なる飲み忘れ」と、「認知症が疑われる飲み忘れ」の違いとは?(©Dmitry Lobanov-123rf)

 高齢になると、複数の持病を持つ人が多くなる。そして病気の数だけ処方される薬の数も増えてくる。そこで問題になるのが薬の管理である。「最近、物忘れが増えてきたけど、お父さん、ちゃんとお薬飲んでいるかしら」と心配するのは別々に暮らしている子どもだけではない。

 長年一緒に暮らしていても、薬の管理は本人任せで、どのくらい薬を飲んでいるのか把握していない家族も少なくないだろう。年を取ったからといって急に、「お父さん、今日から私が薬を管理するね」などと言えば、「それくらい自分でできる。ばかにするな」と言われかねない。「物忘れは増えてきたけれど、まだ言動もしっかりしているし大丈夫だろう」と思っていたら、ある日、タンスの奥から飲んでいない薬が大量に見つかったなんてことも珍しい話ではない。

 「薬の飲み忘れに気付くのは、意外と家族ではなく、かかりつけ医院の看護師さんや、いつも行く薬局の薬剤師さんだったりします」と東京大学大学院医学系研究科加齢医学(老年病学)教授の秋下雅弘さんは話す。薬を出すときなどに、「この薬、前にもらった分がまだけっこうあるんだよね」と、ぽろっと漏らすことがあるからだ。看護師さんや薬剤師さんはそれを聞いて「あれ? もしかしたら薬が飲めていないのかな」と気付くのである。

「単なる飲み忘れ」と、「認知症が疑われる飲み忘れ」の違い

薬の種類が多いほど、管理も難しくなる(©Jan Mika -123rf)
薬の種類が多いほど、管理も難しくなる(©Jan Mika -123rf)

 こうした薬の飲み忘れが、軽度認知障害や認知症の兆候であることも少なくないという。もちろん、薬を1回や2回飲み忘れても、それは単なる物忘れで心配はない。では、どういう飲み忘れが、認知症かもしれない飲み忘れだろうか。秋下さんによれば、「残っている薬がどのくらいあるのか把握していないような場合は、認知症が疑われます」とのこと。

 「飲み忘れて、まだ1週間分くらい薬が残っているんですよ」と医師に申告できるなら大丈夫。しかし、「ちゃんと飲んでいるつもりなんだけど、薬が減らない」とか「何日分か分からないけど、薬が残ってしまった」というように、薬を飲んだかどうか曖昧で、残っている薬の数も把握できていないという場合は要注意だ。

 薬の飲み忘れに早く気付くためには、1カ月に1回あるいは1~2週間に1回、誰かが残薬を確認することが大事だ。同居していても、そもそも親がどれだけ薬を飲んでいるのか把握できていない場合もある。そういう場合は、例えば病院に行く前日に「お父さん、明日は病院に行く日ですね。薬がまだ残っているか確認してみませんか。もし残っているならその分、次回の薬を減らしてもらえますから、薬代が安くなってお得ですよ」などと話すと、「それなら」と見せてもらいやすい。

 間違っても「ちゃんと薬飲んでる?」と相手を疑うような言い方をしてはならない。もし薬が大量に出てきても「こんなに飲み忘れて大変じゃない!」などと責めないことが大切だ。

 では、薬の飲み忘れが見つかったら、どう行動すればいいのだろうか。

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