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一から学ぶ、認知症

重症化で切断も…どう防ぐ? 高齢者の足トラブル

放置すると転倒リスクや歩行障害のリスク

 伊藤左知子=医療ジャーナリスト

 「自宅でできるフットケアで一番大切なのは、足の観察です。自分自身でできる場合は自分で行い、本人ができない場合は、家族などの介護者が行うといいでしょう」と西田さん。

 ただ、日本人は素足を人に見せることに抵抗を感じる人が多いため、家族であっても足を見せてもらうのはなかなか難しい。入浴前など時間を決めて行うと、抵抗が少なくなりやすいと西田さんは話す。

 では、どこをどのように観察すればいいのだろうか。「観察するのは、足全体。ふくらはぎから下、足の甲、足の裏、指の間、かかと、爪。むくんでいないか、傷はないか、乾燥していないか、じくじくしていないか、皮膚の色は変化していないかなど、手で触れて、よく観察します。手で触れるのは、痛みの有無を知る上でも大切です。爪については皮膚に爪が食い込んでいないかや、巻き爪になっていないかどうか、爪の色などもよく見るようにしましょう」と西田さん。

 観察して、何か異常があれば必ず医師に相談することが大事だ。糖尿病の治療をしている人は糖尿病の主治医に相談するといいだろう。

 足を観察した後は入浴。自分で足をきちんと洗えない場合は、介護者が丁寧に洗う。入浴後はよく水気を拭き取り、保湿剤で保湿して終了。顔や体にクリームを塗っても足には塗らない人が多いが、足も同様にスキンケアがとても大切である。保湿剤を塗るだけで、乾燥、ひび割れなどの足トラブルが改善する。保湿は簡単だが大切なフットケアである。

自宅でのケアを指導してくれる「フットケア外来」

 高齢者の中には爪を自分で切れない人もいる。その場合、家族が爪を切ってあげるとよいが、人の爪を切るのが不安な場合は、フットケア外来を利用するのも一策だ。

 フットケア外来では、爪切りをはじめ、巻き爪の予防や処置、足浴、保湿など、自宅でできるフットケアを指導してくれる。また、自宅ではできない神経障害や血流障害の検査、白癬(水虫)、たこや魚の目の処置を行ってくれる。

 ところでフットケア外来はどのように探せばいいだろうか。「糖尿病の患者さんなら、糖尿病外来で開設しているところもあるので調べてみるといいでしょう。クリニックなどではフットケアを手掛ける病院を紹介してくれる場合もあるので、主治医に聞いてみましょう」と西田さん。そのほか、インターネットで「フットケア外来 ●●市」などと検索するのもよいだろう。病院以外にも、爪や角質のケアをするフットケアサロンや訪問フットケアなどもある。

 認知症の高齢者を介護することになったら、一度は介護者も一緒に受診して、自宅でできるケアについて指導を受けるといいだろう。

※参考文献:『はじめよう!フットケア(第3版)』(日本フットケア学会編/西田壽代監修)

西田壽代(にしだ ひさよ)さん
足のナースクリニック代表、日本トータルフットマネジメント協会会長、日本フットケア学会理事
西田壽代(にしだ ひさよ)さん 聖路加看護大学(現聖路加国際大学)看護学部看護学科卒業後、聖路加国際病院などを経て2010年より足のナースクリニック代表として、病院や高齢者施設と提携し、フットケアやその分野のスタッフ教育などを実施している。2013年、日本トータルフットマネジメント協会を設立。医療従事者専門のフットケアスクールを開講している。

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