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一から学ぶ、認知症

道交法改正でどう変わる? 認知症ドライバー対策

75歳以上ドライバーで死亡事故を起こした人の約半分が「認知機能低下のおそれ」

 伊藤左知子=医療ジャーナリスト

運転免許の自主返納が増加

(©Alexander Korzh-123rf)

 警察庁では、高齢者の安全な運転を支援すると同時に、「運転に自信がなくなった」あるいは「家族から運転が心配と言われた」という高齢者などに対して、運転免許の自主返納を促進する取り組みも始めている。

 そうした取り組みもあって、近年、高齢者ドライバーの運転免許返納件数は増加している(*6)。理由の一つに2002年6月から始まった運転経歴証明書の発行が挙げられる。運転経歴証明書は過去の運転経歴を証明するもので、免許証と同様に身分証明書として使えるのが特徴。免許を返納した日から5年以内に申請すればもらえる。「免許を返納した人からは、『これまで運転をしてきた記念の品』としても喜ばれている」(佐藤さん)という。

 また地方自治体によっては、運転免許を自主返納すると、バスやタクシー、鉄道の運賃割引などの特典を受けられる施策を行っているところもある。そうした支援策もあって、東京や大阪など交通インフラが整っている都市部では、75歳以上の運転免許保有者の免許返納率が5%を超えている(*7)。しかし、代替交通手段が少ない地方では返納率が1%台のところもある。

 道交法の改正によって、認知症の高齢者ドライバーは減り、交通事故自体は減るかもしれない。だが、自家用車に代わる交通手段がない地域では、免許取り消しなどで日常生活がままならなくなる人たちが増えるのも必至だ。国を挙げての早急な対策が望まれる。

*6 75歳以上の免許の申請取消件数は2005年の6730件から2015年には12万3913件に増加(警察庁調べ)
*7 全国平均は2.77%(警察庁調べ)

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