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私の「カラダ資本論」

充実した検診メニューで乗務員の健康管理を徹底【WILLER EXPRESS 平山代表】

第3回 乗務員の宿泊棟を新設、ヘルシーメニューの提供も

 平山幸司=WILLER EXPRESS

様々な分野で活躍する一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム。今月は、高速バス事業を展開するWILLER EXPRESSの平山幸司代表取締役にお話を伺ってきた。最終回は、「安心・安全な移動サービスの提供」を最大の使命とする同社で実施されている、健康経営の具体的な取り組みについて聞いた。

 WILLER EXPRESSは「安心・安全な移動サービスの提供」を最大の使命としています。そのために最も重要なのは、絶対に事故を起こさないこと。重大な事故を起こせば、お客様や乗務員の命に関わることもあります。事故を未然に防ぐためには、どうしたらよいのか。まずは専門家とともに、様々な事故の原因を分析することから始めました。

IoTを活用し、安全運行をサポート

 分析の結果、重大な事故の原因は、2つに大別されることが分かりました。1つは、走行中の居眠りなどの漫然運転。もう1つは、脳梗塞や心筋梗塞といった疾患で突発的な体調不良により運転不能状態に陥ることです。

 この結果を踏まえて、それぞれの原因対策に取り組みました。居眠りなどの漫然運転については、IoTを活用した運行サポート管理を導入。例えば、運転者用眠気検知機器「FEELythm(フィーリズム)」は、乗務員の耳たぶにセンサーを装着し、走行中の脈波を計測することで、本人が自覚していない眠気の予兆を検知し、振動で本人に知らせます。同時に本社の運行管理者にも通知され、必要に応じて休憩などの指示をリアルタイムで行うことも可能です。

 FEELythmは2016年から導入していますが、確実に事故が減少し、導入の前年と比較し、車両損傷額は74%も低下しました。また、乗務員の運行中の眠気のデータを収集することで、眠気が生じやすい場面や傾向などを把握して、乗務員のシフト作成や、運行ルート・休憩ポイントの改善などに役立てています。

健康診断に加えて、脳ドックや心不全診断などの検診も拡充

 脳梗塞や心筋梗塞など健康状態に起因する事故については、その大きな要因となる生活習慣病の予防に努めています。こちらも医師など専門家の意見を伺うと、健康診断で検査する体重(肥満度)、血圧、血糖値、中性脂肪やLDLコレステロールなどの脂質値の4項目を基準値にできれば、生活習慣病のリスクを大幅に低減できるとのアドバイスをいただきました。

 そこで最初に取り組んだのが、 第1回でお話しした、健康に対する意識変革と行動変革を目的とした健康学習や健康増進キャンペーンです。さらに、半年に1度の健康診断のメニューの見直しも図りました。それまでの一般的なメニューに加えて、脳ドック、心臓の状態の指標となるBNP値による心不全診断、眼底検査、睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査を実施。最近は、CT(コンピューター断層撮影)による肺・心血管ドックもオプションとして導入しています。これにより、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる血栓のリスクを、早期に発見することが可能になりました。

 脳ドックと肺・心血管ドックは、画像診断検査を専門とする都内のクリニックと協業し提供しているのですが、受診者の約6割に、冠動脈や肺動脈の狭窄など何らかの所見がついたのには驚きました。その中には、数年以内に心筋梗塞を起こすリスクがあると指摘された人もいて、早期の改善、治療につなげることができました。

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