『社長のきもち』というブログで運動と健康を推奨【西武HD後藤社長】
第3回 グループ全体の催しで、各社の交流を深める
後藤高志=西武ホールディングス

社員が健康を意識したり、運動をすることが楽しいと感じてもらったりするために、「ほほえみの森財団」という公益法人が主催するイベントに、グループ全体から希望者を募って参加しているんです。そのひとつが、毎年4~5月の間に行うハイキングイベントです。もともとは高麗川の河原のゴミ拾いから始まったんです。それがものすごくきれいになったので、今では多峯主山(とうのすやま)や天覧山のほうまで、アップダウンのある道を約10kmくらい歩くようになりました。西武鉄道が保有している「飯能・西武の森」というのがあるのですが、そこへ行き、野球のバットの材料になる、アオダモの木などを植樹したりすることもあります。
社員やご家族が一緒になって歩くことで体を動かす機会が生まれ、健康に対する意識が高まりますし、環境保全について考える場にもなると思っています。グループ全体から1000人くらい参加しますし、もちろん、私が言い出したのでみんなと一緒に歩くんです。だいたい、朝9時から10時の間に歩き出して、お昼頃に終わりますから、みんなグループごとに集まって、駅前の店で食事をしたり、河原でバーベキューをしたりして、楽しんでいますよ。
ほかにも、地元のボランティアの方も参加していただいて、間伐をしたり下草をきれいにしたりしていますから、「森がきれいになる」と喜んでいただいています。そうすると、今まで隠れていた新しい生物や植物などが芽生えてくるんです。鳥も増えてきますし、こうやって環境が良くなることが人間の健康にも返ってくるんですよ。
運動会でグループ会社同士を「One Team」に
それに2008年からは、『スマイルファミリーフェスティバル』という名の運動会も開催しています。運動会自体は一度やめていたんですが、再開したんです。自由参加なのですが、一昨年までは毎回、メットライフドームのグラウンドで開催していました。玉転がしや職場対抗リレー、お子さんの綱引きなど朝9時から始めて午後3時くらいまで、とても楽しんでもらっています。お弁当屋さんに店を出してもらって、配った食券で交換して食べてもらってね。これも体を動かす良い機会だと思っています。
しかし今年は、ボールパーク化工事のためにメットライフドームが使えなかったんです。そこで、西武鉄道の所沢本社の第二ビルにある1000人以上入れるホールで実施しようとしたところ、ちょうど台風が直撃してしまって、2日間の予定が1日中止になってしまったんです。みなさんとても残念がって、来年こそは実施できるといいなあ、なんて意見をもらっています。
一時は、どこの会社も運動会や全社をあげての催し物をやめる風潮がありました。でも、普段は接することが少ない各社の社員をはじめ、ご家族の方々も交流の場になってグループとしての意識を高めるのに役立っているんです。今年のラグビー日本代表の活躍を見てもわかるように、やはり「One Team」という精神というか、考え方を養うことが必要なんですね。グループ会社同士、社員同士の理解や結束、つながりを強めることが、経営にもいい影響を与えていくものだと考えています。

(まとめ:松尾直俊=フィットネスライター/写真:村田わかな)
私の「カラダ資本論」【西武ホールディングス 後藤社長】
第1回 グループ再生のハードワークが健康管理の原点第2回 自宅や通勤途中の運動、週末のスポーツで体力づくり
第3回 『社長のきもち』というブログで運動と健康を推奨
西武ホールディングス代表取締役社長
