朝のラジオ体操で仕事へのスイッチを入れる【キッコーマン 堀切社長】
第1回 新型コロナウイルス禍では歩くことで体調維持
堀切功章=キッコーマン

緊急事態宣言下、会社の業務体制の見直しも
終業は午後5時35分なんですが、私が会社を出るのは6時半くらいです。また、毎週水曜日はノー残業デーなので、できるだけ早く、6時前には帰るようにしています。その後は、コロナ前であれば夜の会食などがあったのですが、今はほぼありません。私自身は今でも週に1~2日は在宅勤務です。緊急事態宣言が発せられていた時期は、工場などの生産現場は稼働を止めることができないので無理でしたが、東京本社の出勤率は2割を目標にしていました。その後、緊急事態宣言が解除され、一時期は6〜7割の出勤率になっていましたが、現在は5割を基準に設定しています。
この間、在宅で可能な仕事、できない仕事、生産性があがるものとそうでないものを峻別(しゅんべつ)して、業務体制の見直しも図りました。緊急事態宣言下では、私自身も週に1~2日しか会社に出ないこともありましたね。そうなると、会社にいるとき以上に歩かない、体を動かさないということになります。すると、私は高校時代が空手部で、大学に入ってからは競技スキーと、もともと体を動かすことが好きですから、やはり体調がどうもスッキリしない感じがしてくるんですね(笑)。
コロナ禍で発見した歩くことの楽しさ
それで家の周りを30分から1時間、歩くようにしました。そうしたら、同じ時間内でも歩く距離が延びていくんです。そのうち、昔の友人などと誘い合わせて遠距離を歩くなどということも始めました。そうやって歩いていると、東京という街は結構いろんな発見があるということに気が付いたんです。

できるだけ人通りの少ない裏路地というか、細い道を選んで歩いていると、緑が茂った場所があったり、坂道が多かったりと、電車やクルマではわからない風景に出合えるんです。その発見が楽しくて、歩くことのモチベーションになりました。するとだんだんとコースができてくるんですね、今日はこの道を行こう、明日はここを歩こうと。
そのうち、ただ漠然と歩いているだけでは面白くない、例えば、「あの神社まで行こう」と目的地を決めて歩こうということにしたんです。するとですね、普段は家から電車やバスを乗り継いで、「結構遠いな」と思っていた同じ場所が、家から間をぬって歩いて行くと「意外と近い場所だったんだ」という発見もあるんです。今回のコロナをきっかけに歩くことの楽しさに改めて気付かされました。
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次回は、高校と大学時代の運動経験と、現在も続けているスポーツジム通いについてお話いただきます。
(まとめ:松尾直俊=フィットネスライター/写真:村田わかな)
キッコーマン代表取締役社長CEO
