日経グッデイ

私の「カラダ資本論」

社員に歩きやすい靴を奨励、運動不足解消【東急電鉄 髙橋社長】

第3回 社内の駅伝大会が楽しみ

 髙橋和夫=東京急行電鉄

様々な分野で活躍する一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム。今月は東京急行電鉄・髙橋和夫社長。最終回は、東急電鉄で実施している「ウォークビズ(WalkBiz)」や、髙橋社長も参加するという駅伝大会について伺った。

 健康経営の一環として実施している運動対策には様々なものがあり、「ウォークビズ(WalkBiz)」もその一つです。夏の暑い時期にノーネクタイやノージャケットなどの軽装を推奨する「Cool Biz(クールビズ)」をご存じの方は多いでしょう。ウォークビズとは、年間を通じて歩きやすい靴=ウォークビズスタイルでの通勤を促すもので、1日の中で最も長い時間を過ごす職場を運動の場に変えることを目的としています。

 お客様と接するとき以外では、男性社員の場合はビジネスシューズ風のスニーカーを履いていたり、女性社員の場合は通勤時と勤務中とで靴を履き替えたりしている人もいますね。足元を軽くすると同時に、一駅歩くことも推奨しています。例えば、渋谷の本社勤務の人は、代官山駅や池尻大橋駅などで降りて、会社まで歩きます。そうすると、15~20分程度は余分に歩くことになりますね。歩くことを習慣化する一方で、社員が歩くことで、多少なりとも、お客様にご迷惑をおかけしている通勤ラッシュの緩和につながればという思いもあります。

 そのほか、職場単位でのウォーキングイベントを実施したり、クラウド型の健康支援アプリケーションを活用して、職場ごとに歩数を競う「職場対抗ウォーキング選手権」を年に3回開催したりしています。家族も参加できるウォーキング大会や運動会も恒例行事となっていて、職場や家族とともに健康づくりへの意識と習慣化を促進しています。

 また、東急病院がある大岡山駅の周辺を「健康ステーション大岡山」と称した拠点として、沿線にお住いの方々の健康づくりを支援しています。例えば、大岡山駅の階段に健康応援メッセージを記したステッカーを貼付したり、東京工業大学の大岡山キャンパスと連携して、健康チェックやウォーキングイベントを開催したり。地域の方々から健康増進につながる標語を募集した際は、700を超える作品が集まり、そのうちの48点を選出して掲示しました。

組合と駅伝大会を共催

 毎年11月に開催している駅伝大会では、私も社員と一緒に走っています。駅伝大会は以前、労働組合が主催していたのですが、私が人事担当になったときに、会社も協賛するように働きかけました。そんな経緯もあり、2013年から参加しています。5人1組のチームが120組程度エントリーして、職場の仲間なども応援に来ますから、1000人近い人が集まって大いに盛り上がりますね。

 ジョギングをしているとはいえ、駅伝の会場はいつも走っている公園の平坦なコースとは違って、起伏のあるコースを4km近く走るので、当初は完走できるか不安でした。そこで、最初の2年間は、半周にしてもらっていました。3年目からは、ちゃんと1周走るようになりましたが、かなりクタクタになりますね。そんな私を見て若い人たちが気兼ねしないように、大会の前には「遠慮しないで、どんどん追い抜かしていいよ」と声をかけています。

 昨年は残念ながら、仕事の都合がつかず参加できませんでしたが、今年は走りたいと思っています。先日、現場の社員と話す機会があったときに、「今年の駅伝は走るよ」と言ったら、とても喜んでくれました。でも、普段周りにいる人たちには、社長になったらもう走らないだろうと思われているようで、社長室では誰からも「一緒に参加しよう」との声がかかりません。ですので、以前に在籍していた経営企画室のチームの枠を確保しました(笑)。駅伝で走るのはもちろんのこと、大会終了後に近くにある温泉施設でひと風呂浴びて、宴会で盛り上がるのも、今から楽しみにしています。

(まとめ:田村知子=フリーランスエディター/写真:村田わかな)

髙橋和夫(たかはし かずお)さん
東京急行電鉄社長
髙橋和夫(たかはし かずお)さん 1957年生まれ、新潟県出身。80年一橋大学法学部卒業後、東京急行電鉄に入社。鉄道事業、バス事業に携わった後、91年バス部門の分社化に伴い、東急バスに出向。2010年東京急行電鉄に復職し、執行役員人事・労政室長に就任。11年執行役員経営管理室長、15年常務執行役員経営企画室長、16年専務執行役員経営企画室長を経て、2018年4月から現職。