健康維持・増進は、重要な「経営課題」【東急電鉄 髙橋社長】
第2回 週末に気分転換、心身整える
髙橋和夫=東京急行電鉄
安全な鉄道運行は社員の健康管理から
休暇をしっかりとって、心身のリフレッシュを図るのは、とても大切なことだと思います。弊社が行っている各事業は「安心」「安全」が根幹となっていますから、それを担う私たち自身の健康を維持・増進することは、重要な経営課題と捉えています。

弊社では創業当時からその理念が浸透しています。2016年には「健康宣言」を制定し、最高健康責任者(CHO)と人材戦略室、そして東急病院が三位一体となって健康経営を推進する体制を整備してからは、さらに健康に対する意識が高まっています。
現業の社員は特に、お客様の命を預かる立場にありますから、本人も会社としても、健康管理には十分配慮しています。年に2回の定期健康診断は全社員が必ず受けていますし、有給休暇の取得率は86%を超えています。現業に限れば、ほぼ100%に近いでしょう。上司に気兼ねして休みづらいというようなことはありません。そのような雰囲気を作るためにも、上司やリーダーが率先して休むことが大切だと思いますね。
産業医や東急病院に在籍する専属の保健師と連携して、メンタルヘルスのケアにも注力しています。仕事のプレッシャーやストレスなどから、メンタル不調に陥るリスクは誰にでもあります。そうなれば、本人や家族がつらい思いをするのはもちろんのこと、会社にとっても大きな損失となります。そのような事態になる前に、独自のストレスチェックやアンケートを実施して、早期にフォローする仕組みも整えています。また、職場単位での食事会やボーリング大会といったイベントの費用を、会社が一部負担するような支援などを通じて、職場のコミュニケーションの活性化につなげています。
こうした職場の風土づくりやメンタルヘルス対策のほか、生活習慣や運動対策の取り組みなどが評価されて、東急電鉄は経済産業省と東京証券取引所による「健康経営銘柄」に、4年連続で選定していただきました。これもひとえに、社員一人ひとりがお客様から「安心」「安全」の信頼を得るために、心身の健康管理に気を配る風土が根付いているからだと思います。
(まとめ:田村知子=フリーランスエディター/写真:村田わかな)
東京急行電鉄社長

