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私の「カラダ資本論」

心のコントロールにおける呼吸法の驚くべき効果【ネクスト井上氏】

第3回 入浴時に「調身・調息・調心」を実践

 井上高志=株式会社ネクスト社長

気を通わせれば、緊張することなく話せる

 私は合気道で気の鍛錬を始めてから、心のコントロールができるようになってきました。かつては会議などで意見が対立すると、イラッとしているのが声や態度に出てしまうことがあったのですが、今は心をしずめることで、落ち着いて穏やかに対応できるようになってきたような気がします。役員から「以前とは変わってきた」と言われることもあります。

 また、私は講演をする機会が多いのですが、かなりの場数を踏んでいるので、今では数千人を前にしても、緊張することなく話せます。合気道を始めてからは、意識的に「気を出す」ことで、その場の空気をつかめるようにもなってきました

人前で話すときは目についた人に「黒縁のメガネをかけているな」などと意識を向けることで、気をつなぐ。これだけで落ち着いて話せるはず。
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 「気を出す」とは、「気と気をつなぐ」「気を通わせる」といった意味です。水は流れがあると清らかですが、滞ると腐ります。それと同じように、自分の気と人の気を滞らせることなく、うまくつないで通い合わせることができれば、その場の空気を把握できるようになります。

人前で上がることなく話すコツ

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人前で話すときは、聞き手と気を通わせると上がりません。

 プレゼンや会議など人前で話すときに緊張してしまう人は、気が上がった状態になっています。そうなると、聞いている人と目を合わせないようにしてしまう人もいます。でも、それは気が閉じた状態なので、余計に上がってうまく話せなくなります。緊張して上がらないようにするためには、まず呼吸を調える。それだけでも落ち着いてきますが、さらに気を出すようにしてみるといいでしょう。

 具体的には、その場にいる人全員でなくていいので、目についた人を見て、自分の気を向けるようにします。例えば、「あの人は緑色のネクタイをしているな」「向こうの人は黒縁のメガネをかけているな」というように意識していくと、気をつないでいくことができます。

 気を出してつなげるようになってくると、自分が落ち着いて話せるだけでなく、話している相手の心が読めるようにもなります。話を聞いているだけでは言葉通りに受け取れることでも、相手の全体をじっと見て気を通わせていると、「言葉ではこう話しているけど、心では本当はこう思っているな」ということが分かってくるのです。ですから、人と話をするときは、なるべく気を通わせたほうがいい。会議やプレゼン、面談や採用面接などでも生かせますよ。

(まとめ:田村知子=フリーランスエディター、写真:小野さやか)

■井上社長のカラダ資本論
第1回 1日20時間の激務でも体を壊さなかった理由
第2回 ストレスによる心の振れ幅を最小限にする方法

井上高志(いのうえ・たかし)氏
ネクスト社長
井上高志(いのうえ・たかし)氏 1968年生まれ。91年青山学院大学経済学部卒業後、リクルートコスモス(現コスモスイニシア)に入社。リクルート(現リクルートホールディングス)への転籍を経て、95年に退社し、ネクストホームを創業。97年ネクストを設立し、不動産・住宅情報サイト「HOME’S」のサービスを開始。2006年東証マザーズ上場。2010年東証一部に市場変更。2011年からはアジアにも進出。現在は世界46カ国にサービスを展開している(2016年9月時点)。

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