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私の「カラダ資本論」

ストレスによる心の振れ幅を最小限にする方法【ネクスト井上氏】

第2回 マインドフルネスに通じる合気道で心を鍛錬

 井上高志=株式会社ネクスト社長

意識が上がった状態ではパフォーマンスは発揮できない

「腹が立つ」「頭にくる」は気が上のほうに来てしまっている状態
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 心身統一合氣道会では、「臍下(せいか)の一点に心をしずめ統一する」といった原則を学んでいます。下腹部を示す「丹田」という言葉を聞いたことのある人も多いと思いますが、「臍下の一点」はそれよりも下の方。へその下10cmほどの位置で、立った状態で下腹に力を入れてみて、力が入らない場所を指します。

 「腹が立つ」「頭にくる」などといいますが、これは本来は臍下の一点に定まっているべき意識が、怒りで腹や頭まで上がってしまっている状態だそうです。この自制が効かない状態では、ベストパフォーマンスを発揮することはできません。こうしたことを、実際の姿勢や動き、技などを通じて、自分自身で体感しながら習得していきます。

 臍下の一点に心をしずめられるようになってくると、怒ったり緊張したりしたときも心が上ずってしまうことはありません。心が安定するだけでなく、その状態のときは人から押されても、グラッと動くことはありません。

 鍛錬を重ねていくと、例えば、名刺1枚で割り箸を切れるようにもなります。私はこれまで割り箸4本を切ったことがありますが、登山家の小西さんが6本切るのを見たことがあります。それも、私は名刺を上から振りかぶって降ろすものの、小西さんは名刺を割り箸に当てた状態から引くだけで、スパッと切ってしまいます。ここまでできるようになるには修行とコツが必要ですが、心のコントロールは誰にでもできることです。

 私は小西さんと一緒に、修験道の山で滝行をしたり、断食坐禅をしたりしたこともありますが、普段はなかなかそこまでできないので、都合のつくときに道場での稽古に参加したり、自宅で坐禅や呼吸法をしたりしています。呼吸法はどこでも簡単にできて、心をしずめることができますし、ビジネスの場にも生せるのでお薦めです。次回(2016年10月3日公開)、具体的な方法をご紹介したいと思います。

(まとめ:田村知子=フリーランスエディター、写真:小野さやか)

■井上社長のカラダ資本論
第1回 1日20時間の激務でも体を壊さなかった理由

井上高志(いのうえ・たかし)氏
ネクスト社長
井上高志(いのうえ・たかし)氏 1968年生まれ。91年青山学院大学経済学部卒業後、リクルートコスモス(現コスモスイニシア)に入社。リクルート(現リクルートホールディングス)への転籍を経て、95年に退社し、ネクストホームを創業。97年ネクストを設立し、不動産・住宅情報サイト「HOME’S」のサービスを開始。2006年東証マザーズ上場。2010年東証一部に市場変更。2011年からはアジアにも進出。現在は世界46カ国にサービスを展開している(2016年9月時点)。

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