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私の「カラダ資本論」

タバコ1日6箱だった私が生まれ変われたわけ【宇野康秀社長CEO】

第3回 禁煙のつらさを楽しむ

 宇野康秀=USEN-NEXT HOLDINGS

様々な分野で活躍する一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム。今月はUSENやU-NEXTなどを傘下に置く、USEN-NEXT HOLDINGSの宇野康秀社長CEO(最高経営責任者)にお話を伺ってきた。最終回は禁煙のつらさを乗り越えられた秘訣や、社員が生き生きと働けるよう設計された新オフィスを紹介する。

 私は今でこそ、いつでもトライアスロンや登山ができるだけの体を維持する生活やトレーニングをしていますが、以前は不健康そのものでした。運動は全くしていませんでしたし、深夜まで仕事をして、1日の睡眠時間は3時間程度。タバコも毎日6箱くらい吸っていました。

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 それほど吸っていたタバコは、10年ほど前にやめました。何がきっかけだったかはよく覚えていませんが、こんなヘビースモーカーでもタバコがやめられるのだろうかといったような、変な好奇心があったかもしれません。禁煙中、吸えないつらさを楽しんでいたようなところもありました(笑)。

 禁煙を始めた当初は、本当につらくて、禁煙用のニコチンガムばかり噛んでいました。飲酒の機会に少し吸ってしまうことがあったものの、「これではまずい」と本気になってからは、わりとスムーズにやめられました。

 本社では喫煙所をなくしましたが、入居しているビルには喫煙できる共用スペースがあるので、喫煙者はそこにタバコを吸いに行きます。できればそのスペースを閉鎖してほしいと思っているのですが、なかなかそういうわけにもいかないので、就業中の全面禁煙も検討していきたいと思っています。

 その一方で、自分がヘビースモーカーだったこともあり、なかなかやめられないのも理解できる。依存症のような状態になっている人に無理やり喫煙を我慢させても、タバコのことばかり考えて、かえって生産効率が悪くなってしまうかもしれません。そんなことにならないよう、どうしたらみんなが自分の健康や仕事への影響を考えて禁煙できるか、その方法を模索しているところです。

社員向けラウンジで心身を整える

 今年7月には社員が健康的に働けるよう、新オフィスへの移転に伴い、職場環境をガラリと変えてみました。USEN-NEXT HOLDINGSは東京・港区にあったオフィスを、品川区の高層ビル「目黒セントラルスクエア」に移転するとともに、分散していたグループ企業9社の拠点を集約し、現在約1300人の社員が共に働いています。

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 オフィスの集約に先立って、6月には社員が生き生きと働くための新人事プロジェクト「Work Style Innovation」を始動しました。例えば、コアタイムを設けず、始業や終業時間を社員自身の責任で決定するスーパーフレックスタイム制度や、IT技術を駆使して社内と同じ業務環境で働けるテレワーク勤務制度などを導入。新オフィスの設計の際には、社員一人ひとりが自分のワークスタイルに応じて働く時間や場所を選択できるフリーアドレスを採用しました。

 オフィスがある9~13階のうち、12階までの4フロアはグループ各社のワークスペースとなっています。12階のグループフロアは特に見晴らしが良く、明るい光が差し込む開放的な空間になっています。豊富に配した緑にも癒されますね。

 新しいオフィスでは「Cool & Smart BIZ!」を提唱して、ビジネスパーソンとしての常識と節度のある範囲でノージャケットやノーネクタイもOKとしたことから、自分らしい装いで働く社員も増えました。働きやすい心地の良い空間と、服装の変化もあいまって、社員同士のコミュニケーションに笑顔が増えたように感じています。

 ホスピタリティフロアとした13階には、お客様を迎えるスペースや、社員専用のラウンジスペースがあります。「Next Avenue」と名付けたスペースでは、ホテルやクリニック、ビューティサロンなどにおける当社の様々なサービスをご紹介しています。新社屋のお披露目会では、私も当社のロゴをデザインしたネイルアートを体験しました。Cool & Smart BIZ!の一貫で、ネイルやメイク、ヘアカット、パーソナルカラー診断といったサービスは、社員にも福利厚生として提供していきます。

 こうしたソフト面、ハード面での働き方改革を進めることで、業務の効率や生産性を高めるだけでなく、ワーク・ライフ・バランスの実現も可能になるでしょう。その結果として、ジムに通ったり、リフレッシュできる趣味を持ったりと、心身の健康のための時間も作りやすくなるのではと思っています。

(まとめ:田村知子=フリーランスエディター/写真:村田わかな)

宇野康秀(うの やすひで)さん
USEN-NEXT HOLDINGS社長CEO
宇野康秀(うの やすひで)さん 1963年大阪府生まれ。明治学院大学法学部卒。88年リクルートコスモス(現コスモスイニシア)を経て、89年人材サービス会社のインテリジェンス(現パーソルキャリア)を創設。98年大阪有線放送社を創業社長の父より継承。社名を有線ブロードネットワークスに改め、ブロードバンド事業へ進出。2005年社名をUSENに変更。10年USEN代表取締役を辞任し、U-NEXTを立ち上げて社長に就任。USENから譲渡された動画配信サービス「U-NEXT」などBtoC事業を手がけ、14年12月に東証マザーズ、15年12月に東証一部へ上場を果たす。17年12月にはUSENとU-NEXTの経営を再び統合し、社長CEOに就任。
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