日経グッデイ

私の「カラダ資本論」

私が仕事より運動を優先するワケ【GMO熊谷社長】

第3回 時間を有効活用する“ながら”のススメ

 熊谷正寿=GMOインターネット会長兼社長・グループ代表

仕事においては、やはりカラダが資本。多忙な中でも最高のパフォーマンスを発揮し続けるには、日ごろからの健康管理が欠かせない。
一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム、今回はGMOインターネット会長兼社長で、グループ代表も務める熊谷正寿さん(52歳)の第3回だ(第1回は「『1000人に1人』のカラダはこう作っている」、第2回は「私が『余命』をカウントダウンする理由」)。
実は熊谷さん、50代になってから仕事より運動を優先するようになったという。気になるその理由は?

 運動、特に、筋力トレーニングは、週2回のペースで30年以上続けています。今では自宅にジムを作り、プライベートトレーナーの指導も受けています。50代になってからは、職場の仲間たちに「仕事よりも運動を優先する!」と宣言しました。

筋トレ歴はかれこれ32年に及ぶ。週2回、1回あたり1時間前後が基本
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 体の状態がベストでなければ、仕事のパフォーマンスも悪くなりますよね。同じ内容を伝えるにも、体の調子がいいときは、背筋を伸ばして、胸を張って、堂々と話せます。ところが、体調が悪かったり、筋力が衰えてきたりすると、背筋が丸まり、覇気もないように見えて、言葉の説得力すら失われてしまうものです。

 「仕事より運動を優先する」というのは、ちょっと極端な言い方かもしれません。現実には、仕事を優先せざるを得ないこともありますから(笑)。ただ、繰り返しになりますが、運動で筋力を鍛えることは、高いパフォーマンスで仕事をこなすうえで何より重要だと思っています。そうした私の考え方を端的に表現したフレーズが、「仕事より運動を優先する」なのです。

 トレーニングは1回当たり、1時間程度かけて行っています。メニューは上半身の肩や背中、上腕二頭筋や三頭筋、下半身の大腿四頭筋や大臀筋、ふくらはぎなど、全身の筋力を鍛えます。ベンチプレスで100kgを3回上げられるので、筋力はかなりあるほうだと自負しています。

 筋力トレーニングをしない日は週に4~5日ですが、その半分は、トレッドミルを使って歩くようにしています。早歩き程度が一番脳が活性化するので、角度を7度程度つけて、時速4.5~5.0kmくらいのスピードで30分程度歩きますね。心拍数は100~110以上には上がらないように注意しています。

メールや会議も運動しながら

 前回のコラムで、限られた時間を意識しているとお話しましたが、歩きながら、会議をしたり英単語を暗記するなど、時間を効率良く使うように努めています。メールをチェックしたりもしますね。

 私自身は特に、座って考えているよりも、歩きながら話しているほうが、いいアイデアが浮かびます。ですので、会議の途中で「ちょっと待って」と言って、歩き出すことも多いですね。会議はスカイプを通じてできるので、みんなはオフィスで、私は画面の中で歩きながら、意見を交わす。そんな光景が日常的に見られます。

“ながら”運動のコツは、それぞれがベストなパフォーマンスになることを「強く」意識すること
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 歩くと脳が活性化するせいか、発想力や記憶力が高まるように感じます。ただ、単に“ながら”をすると、どちらも中途半端になってしまう場合があります。大切なのは、運動も、脳の働きもそれぞれがベストなパフォーマンスになって相乗効果が得られるようにと強く意識することが重要ですね。

 私の学歴は高校中退ですが、今では上場企業8社を含む86社のグループ会社を率いています。これは、「人と同じようにしていては大きな夢を達成できない」という思いから、“ながら”をはじめ、限られた時間の中でいかに効率良く最大のパフォーマンスを発揮するかを、常に意識し、実行してきた成果だと思います。


(まとめ:田村知子=フリーランスエディター/インタビュー写真:的野弘路)

熊谷正寿(くまがい まさとし)さん
GMOインターネット会長兼社長・グループ代表
熊谷正寿さん 1963年7月長野県生まれ。91年ボイスメディア(現GMOインターネット)設立。95年からインターネット事業を開始し、99年に独立系のインターネットベンチャーとして国内初の株式店頭公開。2005年東京証券取引所第1部に指定変更。現在、GMOインターネットグループは上場企業8社を含む86社、スタッフ数は4400名以上に成長(2015年6月末時点)。「すべての人にインターネット」を合言葉に、インターネットインフラ事業、インターネット広告・メディア事業、インターネット証券事業、モバイルエンターテイメント事業を展開している。