日経グッデイ

私の「カラダ資本論」

「1年半、会社のエレベーターに乗っていません」【ジャパネット・髙田明さん】

第2回 歩くことに意識を向け、目標を定めて習慣化する

 髙田 明=ジャパネットたかた前社長

仕事においては、やはりカラダが資本。多忙な中でも最高のパフォーマンスを発揮し続けるには、日ごろからの健康管理が欠かせない。一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム、昨日に引き続いて登場するのは、テレビ通販番組でのテンションの高い語り口でお馴染みのジャパネットたかた前社長・髙田明さん(66歳)。この1年半、普段からウォーキングシューズを愛用し、歩くことを意識しているという。その理由は?

 最近、会社ではずっとミズノのウォーキングシューズばかり履いています。今日もそうですよ。この靴はジャパネットたかたの人気商品で、これまでに約70万足売れています。私はここ1年半、意識的に歩くようにしていましてね。会社のエレベーターにも乗っていません。社内のフロアからフロアへの移動は階段を使うので、私に付き合う秘書は迷惑なんじゃないかな(笑)。ただ私が歩き始めたら、それに影響されて一時10人とか15人の社員が万歩計を付けて歩き始めましたよ。

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スーツ着用の際にも、愛用のウォーキングシューズ姿。黒だとスーツと合わせても違和感がない。

60歳を過ぎて歩き始めたワケ

 私はこれまで社長業が忙しく、たまにゴルフをするぐらいで、運動らしい運動はしてきませんでした。ただ一昨年だったかゴルフコースを回ったとき、途中で歩くのがつらくなるほど脚が痛くなった。疲れたんでしょうね。翌日おとなしくしていたらすぐによくなりましたが、初めての経験でした。この年になると、周りから「健康のために何かしたほうがいい」と言われるじゃないですか。特に持病もなく自分では元気なつもりでも、「つもり」ではいけないのかと思って、まずは脚から鍛えようと歩くことにしたのです。

 その後、脚は特に問題ありませんが、歩いてみて、やはり何でも意識することが大事なのだと痛感しました。いざ計測してみると、あまりの歩数の少なさに驚いたほど。特に佐世保にいるときは車で移動することが多いので、意識しないと本当に歩かないのです。

「歩数稼ぎのために社内をふらふら歩いています」

 今はスマートフォンの歩数計アプリで、どれくらい歩いたかをいつもチェックしています。東京に出張で行ったときはゆうに1万5000歩程度いくものの、佐世保のスタジオにいる時間が長くなると1日3000歩もいかないというのが目下の悩み。あまりに歩数が伸びないと、社内をふらふら歩いたり、自宅の階段を上り下りしたりして歩数を稼いでいます。

 1歩でも多く歩こうという目標を持つだけで、まるで違います。私がそうだったように、今日が3000歩だったら、明日は3100歩、明後日は3200歩という気持ちに誰もが自然になっていくと思います。そんなふうに意識を高め、無理することなく習慣化していくことが結局のところ自分の健康を守っていくことになるのではないでしょうか。

仕事でロケに出かけた際も、この通り、いつものウォーキングシューズで。
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歩き続けて、体脂肪率も24%から20%に!

 わずか3階、4階分の上り下りだけでも、毎日続けると身体は変わってきますね。体組成計で測定してみたら、体脂肪率はずいぶん減りました。40歳前後のとき17%くらいだったのが24%まで上がっていましたが、歩き始めてから20%程度まで下がっています。筋肉量も大分増えましたし、疲れにくくなったような気がします。

 たまの休みの日は何もせず家の中で過ごすことが多かったのですが、今は休みの日などに散歩することが多くなりました。歩き始めて一番変わったのは、四季の移り変わりを感じるようになったことです。ある日、いつものように歩いていたとき、「季節が変わるのを感じるというのは最高だ」と思いました。特に季節が冬から春に変わる頃、色とりどりの花が一斉に咲き始めるでしょう?それを見て「こんなに花って生きているんだ」って思ったんですよね。

散歩しながらの花の撮影がささやかな楽しみ

 季節ごとにいろいろな花が咲く。桜でも早咲き、遅咲きあるでしょう。庭にあるマグノリアやつつじ、スモモやブルーベリー、カキやナシの木などを眺めるたびに、植物の生命力を感じます。今は散歩しながら、スマートフォンのカメラで花の写真をたくさん撮っています。そういうタイプではなかったんですけどね(笑)。「季節を感じることは生きる原動力にもなるのだな。なるほどなあ」と思います。

散歩しながら、花を撮影するのが趣味に。タブレットの画面に映っているのは2014年4月に撮影した花々。
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 孫と一緒に歩くのも楽しいですね。「社長、花は咲いた?」「シマトネリコはどう?」といったことを話しかけてくるんですよ。「もう社長じゃないよ」って言うのですが、孫はなぜか昔から私のことを社長と呼ぶ(笑)。こんな何気ない時間があることで、気分がリフレッシュされている気がします。

*)次回は、『くよくよ悩んで眠れなかったことはありません』をお届けします(8月6日公開予定)。ぜひ、ご覧ください。


(まとめ:荻島央江=フリーライター/インタビュー写真: 菅 敏一)

■髙田氏のカラダ資本論
第1回「元気の秘訣は“高音プレゼンテーション”にあり?」
第2回「1年半、会社のエレベーターに乗っていません」
第3回「くよくよ悩んで眠れなかったことはありません」
第4回 「1年以内にスコア90切り、そしてギネス更新へ?」

■その他の経営者のカラダ資本論
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髙田 明(たかた あきら)さん
ジャパネットたかた前社長、A and Live 社長
髙田 明(たかた あきら)さん 1948年、長崎県生まれ。大阪経済大学卒業後、機械製造会社勤務を経て、74年から父親が経営するカメラ店で働く。86年に独立し、カメラ販売の「たかた」を設立。ラジオ通販で手応えをつかみ、通販事業にシフト。94年からテレビ通販にも進出し、事業を大きく伸ばす。99年に現社名に変更。2015年1月に社長を退き、長男の髙田旭人氏が2代目社長に就任した。