日経グッデイ

私の「カラダ資本論」

ゴルフは経営と一緒、平常心試される【メディアフラッグ 福井社長】

第2回 ツイていなければ無理しないのが得策

 福井康夫=メディアフラッグ社長

様々な分野で活躍する一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム、今回お話を伺ったのは、店舗の覆面調査を通じて小売業や飲食業のマーケティング活動を支援するメディアフラッグの福井康夫社長。第2回は前回に引き続きランニングにまつわる話や、ゴルフと経営に関する話を紹介する。

 前回お話ししたように、私は著名経営者の講話などを聞きながらランニングをしています。朝5時に起きてひとっ走りし、それから帰宅してシャワーを浴びて、身支度を整えて、7時ごろに自宅を出ます。私が住む地域では、この時間帯に家を出れば、ラッシュアワーを避けることができます。

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 以前は車で通勤していたのですが、渋滞がひどくて、電車通勤に切り替えました。当初は痴漢に間違われるなど何かあってはいけないと、会社の役員たちは反対していましたね(笑)。それもあって、ラッシュを避けた早めの電車に乗るようにしています。

 会社の最寄駅より手前で降りて、街を歩くこともあります。健康のためということもありますが、メディアフラッグは店舗のマーケティング支援事業を手がけているので、仕事に生かせる面もありますね。新しくオープンしたショップを発見したり、流行りの店を見てみたり。そこで気づきを得たり、アイデアが浮かんだりすることもあります。

全国各地にお気に入りのランニングコース

 弊社は札幌や仙台、名古屋といった主要都市に支社があるほか、店舗の覆面調査をしていただいている「メディアクルー」と呼ぶスタッフの方が、全国に大勢いらっしゃいます。そうした方々と交流の機会を持つために、1年に2回ほど、全国を回って親睦会を開催しています。支社や関連会社の訪問や、親睦会に出席する際には、ランニング用具一式を持参して、現地で走っています。なので、北海道から沖縄まで、走ったことのない都道府県はないんじゃないかと思います。

 全国各地にお気に入りのランニングコースがあって、例えば札幌なら豊平川のほとりを、福岡なら水と緑のオアシスと呼ばれる大濠公園を走ります。大阪城や名古屋城など、お城の周辺を走るのも好きですね。お城はパワースポットと呼ばれることがあるように、走ると最高に気持ちがいいんですよね。

 全国を回る親睦会をはじめ、日ごろから社内外で会食の機会が多いのですが、深酒はしませんね。ランニングを始めてから体の代謝がよくなったせいか、アルコールはめっきり弱くなりました。夜がどんなに遅くなっても、朝5時に起きて走ります。前日に少し飲みすぎたかなと感じるときがあっても、無理のないペースでゆっくり走ると、汗とともにアルコールが抜けて、爽快な気分になれます。

 ランニングのほかには、週に1~2回、ジムで筋トレをしています。筋肉がつきすぎてムキムキになるのはちょっと嫌なので(笑)、筋力維持が目的ですね。

買収企業の再建に失敗、逆境に学んだ

 それから、月に2~3回、仕事関係者や経営者仲間、友人などとゴルフもします。ゴルフは会社を上場した後、健康にもいいし、人脈が広がるよと勧められて、5年ほど前から始めました。当初はめちゃくちゃ下手で、しばらくはレッスンに通ったり、素振りの練習をしたりしましたね。今でもすごくうまいわけではありませんが、スコアはだいたい95くらいで回れるようになりました。

 ゴルフのときもカートは使わずに歩きます。ゴルフ場にもよりますが、アップダウンのあるコースなら、10km走るのと同じくらいの感覚がありますね。

 一方で、ゴルフはメンタルスポーツだと感じることもあります。例えば、パットの調子が悪いと、ドライバーも悪くなるなど、そのときの精神状態に左右されることがある。それに、運やツキの流れといったものの影響もあるような気がします。「今日はツイていないな」と思うと、最後までドツボにハマってしまうという感じで(笑)。だから、調子が悪いときやツキのないときには気持ちを切り替えたり、無理をしないで静観したりすることも必要だといったことが、感覚的に分かってくる。それは、経営にも通じることなんじゃないかなと思います。

 メディアフラッグは東証マザーズに上場して今年で6年になりますが、一部上場を果たせていないのは、買収した会社の再建がうまくいかず、手こずってしまったことが、大きな要因の1つだと思っています。最終的にはもうこれ以上やっても無理だと踏ん切りをつけて売却して、特別損失を計上しました。

 今にして思えば、運やツキの流れに抗って買収したのかもしれません。当時自分たちの持つノウハウ以上のチャレンジをしてしまったんじゃないかと、反省する部分もありました。でも、その経験があったからこそ、より一層、今は真摯に経営に向き合えています。

 その不採算事業を抱えていたときも、毎朝ずっと走っていました。精神的につらくなることもありましたが、走ると頭がスッキリして、前向きな気持ちになれました。もし、ランニングをしていなかったら、アルコールに弱くなることもなく、お酒に頼って飲みすぎて、体を壊していたかもしれません(笑)。そうならなかったのは、毎日コツコツ、走っていたおかげじゃないかと思います。

(まとめ:田村知子=フリーランスエディター/写真:村田わかな)

福井康夫(ふくい やすお)さん
メディアフラッグ社長
福井康夫(ふくい やすお)さん 1968年千葉県生まれ。91年早稲田大学法学部卒業後、三和銀行(現三菱UFJ銀行)、セブン-イレブン・ジャパン、セブンドリーム・ドットコムを経て、2004年に覆面店舗調査などを手がけるメディアフラッグを設立。「『IT』と『人』をキーワードに流通業界に新しい価値を創造する」を事業コンセプトに、流通向けアウトソーシング事業を展開している。