自分の力で走ることが、リフレッシュになる【キリンビバレッジ 堀口社長】
第1回 マラソンや自転車にのめり込んでいった理由
堀口英樹=キリンビバレッジ

健康意識の高い豪州の人々との関わりがマラソンに向かわせた
ランニングを始めたのは、2008年です。これも海外赴任がきっかけでした。オーストラリアのメルボルンに単身赴任になったとき、自宅近くにF-1のコースにもなるアルバートパークというところがありました。オーストラリアで勤めた会社の人は、スポーツや健康に対する意識が高いんですよ。それで会社に入ったときに、まず、「メルボルンマラソンがあるから出場しないか」という話がありました。そこで良いコミュニケーションになるとも考え、出場に向けてのトレーニングとして、1周5kmほどのアルバートパークのコースをランニングするようになりました。
それから、グローバルコーポレートチャレンジというのがあり、会社のチーム単位で参加していました。これは6人くらいのチームで行います。当時は1人20豪州ドル程度払うと、帽子やバッグ、それに歩数計を渡されるんです。そして毎日、歩いた距離や歩数をインプットします。すると現在の順位などが出ます。社内だけでなく、ほかの会社のチームとも競うのですが、3カ月のタームで終了するまで、例えば順位が低くなると、リーダーが「うちのチームはちょっと少ないから、お昼に集合!」という声がかかって、歩かされるんです(笑)。最後は血液検査までやって、効果がどれだけあったかどうかまで計測するような本格的なものでした。
そんな経緯で、社内の健康意識も高かったのですが、その年のメルボルンマラソンのハーフマラソンに出たのが、今につながるランニングのきっかけでした。もちろん、自転車を持って行っていましたから、こちらのほうでも走っていました。
長男の成人式に合わせて、マラソンのプレゼント
そして翌年、40代も終盤、「50歳少し手前だし、人生の大きな区切りとしてフルマラソンに挑戦しよう」と、ホノルルマラソンに出場したんです。ホノルルマラソンはすごく大きなイベントで、シリアスな競走とはまた別に、エンターテインメイト性の高い、楽しいマラソンなんです。
とは言え、42.195km走るにはトレーニングが必要ですから、そこからどんどんランニングにのめり込んでいってしまったんですね。このときには、私はアメリカのケンタッキー州、フォアローゼズディスティラリーに単身赴任していました。ちょうど長男が20歳。ホノルルマラソンが非常に楽しかったので、「成人式に合わせて、マラソンをプレゼントするよ」と声をかけてみました。そうしたら「やってみる」ということで、家族とホノルルで落ち合って参加したんです。その次は次男ですが、彼にも20歳になる年に「どうする?」と。2015年には、家族3人で走りました。

ホノルルマラソンには、いろんな参加カテゴリーがあるのですが、3人の年齢が合計で100歳未満の部というのがあるんです。そこにエントリーして、なんと3位になりました。“すごい!”と思うでしょ? ところが後で聞いたら、このクラスのエントリーは7組だったというオチがありました(笑)。
2013年に帰国してからも、三浦国際マラソンや青梅マラソン、会社の中でもリレーマラソンなどに出たりしています。これは社内でチームを作りますから、終わった後はまたみんなで集まって、一番搾りやラガービールです。走って汗を流すのですが、その分美味しく飲んでいるというような具合ですね(笑)。
(まとめ:松尾直俊=フィットネスライター/写真:村田わかな)
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次回は、フォアローゼズディスティラリー時代のエピソードと、食事に対する考え方と実践していることについて伺います。
私の「カラダ資本論」【キリンビバレッジ 堀口社長】
第1回 自分の力で走ることが、リフレッシュになる第2回 食事はきちんと1日3食、アルコールは楽しみとして
第3回 在宅勤務中は毎日夕方からランニング
キリンビバレッジ代表取締役社長
