自分の力で走ることが、リフレッシュになる【キリンビバレッジ 堀口社長】
第1回 マラソンや自転車にのめり込んでいった理由
堀口英樹=キリンビバレッジ
様々な分野で活躍する一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム。今月は、清涼飲料水業界において、好調に業績を伸ばしているキリンビバレッジ代表取締役社長の堀口英樹さんに話を伺っていく。高校から大学にかけてハンドボールに打ち込み、現在もフルマラソンやロードバイク(自転車)のイベントに出場するなど、スポーツマンである堀口さんが現在行っている、ロードバイクやマラソンについて語っていただいた。

学生時代はハンドボール。卒業後は、やる機会がない
学生時代は一生懸命にハンドボールやっていました。しかしハンドボールは、どちらかというとマイナーなスポーツ、競技人口も少ないんです。野球やサッカーなどのメジャーなスポーツは、地域に数多くのサークルなどがありますが、ハンドボールはそういったものも限られています。
大学のOBや会社をベースとしたチームはありましたが、入社後はすぐに大阪勤務になったので、そこにも参加できず、団体競技は難しい状況になってしまいました。少しの間はスポーツから離れていました。しかし、たまたま入った会社の寮にはテニスコートが付いていたので、テニスを始めたんです。そして実は、始めて間もないのに、ある大会に出場して予選1回戦で負けてしまった。当たり前ですよね(笑)。
ほかにスキューバダイビングも始めて、当時は紀伊半島の熊野や湯浅などに潜りに行ったり、冬場はスキーにも行ったりしていました。元来体を動かすことが好きなので、少人数、あるいは一人で出来る、レジャースポーツにのめり込むようになったんです。体を動かしていないと太ってしまうという意識もあるかもしれません(笑)。
ボストン留学が、自転車にハマるきっかけ
今やっているのはマラソンや自転車ですが、実は自転車のほうが先なんです。そのきっかけになったのが、1998年にボストンに留学する機会を与えてもらったことです。その間は勉強漬けで体を動かさなくなってしまったんですね。すると、やはり体がどんどん大きくなっていってしまった(笑)。「コリャ、何とかせんといかんぞ!」と、マウンテンバイクを買って、それで通学するようになりました。
99年に帰国したのですが、ボストンで味わった自転車の面白さが忘れられなかった。そこでロードバイクを買って、今に至るまで続けています。

自転車の面白さは、やはりスピード感ですね。それから、自分の力で動かしているという実感、汗もかきますし、“運動しているんだ!”という感覚が湧いてきます。それがリフレッシュになるんです。
同じ自分の脚、自力ではあるんですが、歩いたり走ったりするよりも遠くまで、いろいろな場所に行けます。そうすると、行った先でおいしいものと出会ったりできる。それが非常に楽しいですね。
最初のうちは、例えば100km走るとして、帰ってくるときには、どうしても気持ち的に大変だという感覚がありました。ところが、行きっぱなしの100kmであれば、さらに行動半径が広がります。
目的地まで走り、そこで温泉に入ったり、その土地の美味しいものを味わって、もちろん“一番搾り”を飲んで、自転車は輪行バッグに入れて電車で帰ってくる。そんな楽しみ方ができます。それが健康に貢献していますね。すごく体調が良くなってくるんです。
以前は三浦半島を1周したり、伊豆半島まで行って踊り子号に乗って帰ってきたり、山中湖や奥多摩まで行っていました。山中湖周辺はアップダウンが多いので、途中で少し挫けて、高速バスに乗って帰ってきたりしたこともありますね(笑)。
ただ、現在は月に1回、湘南のほうまで行って乗るくらいで、ランニングがメインになっていますけど、本当に自転車は体の調子を整えるのに役立っていると感じることが多いですね。