日経グッデイ

私の「カラダ資本論」

忙しい社長業、新幹線や飛行機でスヤスヤ【味の素 西井社長】

第3回 細切れの睡眠で疲れ取る

 西井孝明=味の素社長

様々な分野で活躍する一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム。今月は、味の素の西井孝明社長にお話を伺ってきた。世界130を超える国と地域にネットワークを拡げるグローバル企業のトップである西井さんは朝、14階の社長室へは階段を使って入り、立って執務することで下半身の筋力を維持。そして仕事にも直結する食事管理で健康を気遣っている。西井さんが体調維持のために、もう一つの柱としているのが「睡眠」だという。3回目の最終回は疲れを残さないために実行している睡眠法について語っていただこう。

 私には健康管理で心がけている3本柱があります。それがこれまでお話ししてきた、「軽い運動の積み重ね」に「バランスの良い食事」、そして3つ目が「睡眠」です。基本は早寝早起きが一番です。本社で仕事をしている時には、常にそれを心がけています。

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 しかし海外に出張すると、時差の関係で規則的な睡眠が取れなくなります。仕事柄、現在でも1年間に最低でも70日、多い時は90日くらい海外にいます。社長になる前も、ブラジルに単身赴任していた時期は、日本との間を年間13往復くらいしていました。

 ブラジルと日本は、だいたい12~13時間の時差があります。1週間ほど日本にいると、出国するころには日本の時間が身についています。その状態でブラジルに戻ると、現地の時間に慣れるまでまた時間がかかってしまい、おかしな時間に眠くなったり、逆に寝たい時に眠れなかったりということになります。

 そこで、手前味噌になってしまいますが、弊社で発売している睡眠を助けるサプリメントの「グリナ」を愛用するようにしました。これを飲むと、眠りが自然と深くなって疲れが取れ、寝起きがスッキリします。ですから、海外出張先で寝る時は「グリナ」を飲むんです。食品ですから安心して使えます。日本に帰ってきた時も、リカバリーの意味でしばらくの間は使っていますね。そして回復してきたなと感じたら、飲むのを止めます。

休日も睡眠パターンを変えず朝5時起き

 まとまった睡眠時間が取れないときは、昼食後に30分だけ目を閉じるとか、新幹線の移動の時にも、何もしないで眠るといったことで調整します。飛行機に乗った時も、キャビンアテンダントに起こさないでくださいと頼んで、すぐに寝てしまいます。これは慣れというか、知らないうちにトレーニングされたのかもしれませんが、細切れの睡眠でも疲れがある程度取れるようになりました。

 平日はだいたい午前5時前には自然と目が覚めます。目覚し時計いらずの体ですよ(笑)。休日も起床時間は変えません。ただ、休日に朝早くから家でゴソゴソすると家族に嫌われますから、自分の部屋で本を読んでいたり、メールをチェックしたりと静かにすごしています。

 それから休日には、ウォーキングによく出ます。また、2日間の連休がある時にはどちらかにゴルフが入ったり、妻とショッピングに出かけたりするなど外出しています。

健康診断後は全社員が産業医と面談

 私のことばかりをお話ししてきましたが、会社として社員の健康管理にも取り組むようにしています。体の健康もさることながら、心の健康も大切だと思っています。

 多くの企業と同じように弊社でも定期的に健康診断を実施しています。そのうえ診断結果を踏まえて、全社員が産業医と面談することにしています。全員面談まで実施している会社は、まだ少数ではないでしょうか。

 産業医がフィジカルな面とメンタルな部分の両方をチェックして、社員にアドバイスしています。

 結果が悪い場合、産業医が海外赴任を差し止めることがあります。実際、上司が赴任を命じていたのに、ドクターストップさせた例もあります。そういった地道な取り組みを通じて、社員全員の健康への意識が高まってきました。

 また、働き方改革の一環として、1日の所定労働時間は以前の7時間35分から7時間15分に短縮しました。メリハリのある時間管理で仕事を効率化して、空いた時間を自分のために役立ててもらうのも、社員が健康、かつ幸せに働いてもらうために必要だと思っています。

(まとめ:松尾直俊=フィットネスライター/インタビュー写真:村田わかな)

西井孝明(にしい たかあき)さん
味の素 社長
西井孝明(にしい たかあき)さん 1959年奈良県生まれ。1982年、味の素入社。2004年に当時は不振だった家庭用冷凍食品事業の責任者となり、業績を改善。09年に人事部長に就任し、11年に執行役員人事部長に。13年にブラジル味の素の社長に就任。ラテンアメリカ本部長として南米に駐在。15年に創業家を除き、味の素史上歴代最年少の55歳で代表取締役社長に就任、現在に至っている。