歯を健全にして健康面の巡りを良く【ポルシェジャパン七五三木社長】
第2回 噛み合わせを治して痛みが取れた
七五三木敏幸=ポルシェジャパン
様々な分野で活躍する一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム。今月はポルシェジャパン代表取締役社長の七五三木敏幸さんにお話を伺っていく。前回、七五三木さんの健康づくりの基本は週末に2回のウォーキングという話だったが、実はもう一つ、とても大切にしていることがあるという。それが「歯」を健全に保つこと。それはどんな視点からなのだろうか。
朝起きたら首に激しい痛み。その原因は、就寝中の歯ぎしりだった
私は健康のためには、体を動かすことに加えて、歯がとても大切な役割をしているのだと思っています。もともと、歯はあまり丈夫ではなかったんです。それで偶然なんですが、高校時代の大親友が東京で歯科医を開業しているものですから、ずっと面倒を見てもらっているんです。

それでちょうど10年くらい前ですが、朝、起きたら頸椎の周りが痛くて動けない。別に首の周辺に負担をかけるような運動をしたり、ぶつけたりした覚えもありません。これはどうしたものかと整形外科に行き、レントゲン撮影などで調べてもらったんです。すると、頸椎の一部にズレが生じているという診断でした。そのうえ、椎間板が少し減っているというようなことも指摘されたんです。
しばらく安静にしていることが必要だと言われ、痛み止めなどをもらったんです。しかし、数日しても全く治る気配がない。それで、たまたまその週は、毎月1回の定期的な歯のチェックをしてもらうことになっていたので、親友の診療所に行ってきました。
歯科では、診療台に横になって首を後ろに少し反らせますよね、それができない。そんな状態で友人の歯科医に診てもらうと、「お前ちょっと待て、顎周辺の筋肉が凝り固まって、とんでもないことになってるぞ」と言うんです。まあ、患者を“お前”呼ばわりする医者はあまりいませんが、高校時代からの友人ですからね(笑)。
彼が言うには、歯のすり減り具合や噛み合わせのズレなどから、寝ている間に顎にものすごく力を入れて、歯ぎしりをしているんじゃないかということなんです。自分では気がついていなかったのですが、当時は仕事も結構大変な時期だったので、寝ている間も緊張感が取れていなかったのでしょう。夜寝ている間の歯ぎしりを治して、周辺の筋肉をリラックスさせないと首の痛みも治らないと言うんです。
だから彼が「お前、1週間後にもう一度来い」と。私もそれには素直に従って、再度行くと…。「夜、必ずこれを口の中に入れて寝るようにしろ」と渡されたのが、マウスピースです。枕もできるだけ低いものにして寝るようにというアドバイスも受けました。
そうしたら、なんと3日で治ったんです。宣伝でもなんでもないんですが、あれだけひどかった首の痛みがスッとなくなっていました。顎から首周辺のトラブルというのは、歯と深い関わりがあるんだなということを実感しました。それまでは疲れがたまった感じがしてくると、歯茎が腫れていたんですが、それも治って今では本当に快適です。