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私の「カラダ資本論」

上司との関係に悩みうつ状態に。そこから抜け出せた理由は?

リーダーシップコンサルティング岩田社長 第1回

 岩田 松雄=リーダーシップコンサルティング社長

様々な分野で活躍する一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム、今月はリーダーシップコンサルティング社長の岩田松雄氏にご登場いただく。岩田氏はゲーム開発会社アトラス、自然派化粧品販売の「ザ・ボディショップ」を運営するイオンフォレスト、そして、スターバックス コーヒー ジャパンの3社で経営手腕を発揮し、いずれも業績向上を実現した。第1回はそんな岩田氏のキャリアの原点、日産自動車勤務時代に経験したという、メンタル不調にまつわるエピソードを紹介する。

 2011年にスターバックス コーヒー ジャパンのCEOを退任してから、真のリーダー育成を手がけるリーダーシップコンサルティングを設立し、現在は次世代のリーダー育成に注力するほか、企業の社外取締役やベンチャー企業のアドバイザーを務めるなど経営のコンサルティングなども行っています。

[画像のクリックで拡大表示]

 経営者だったころは様々なストレスにさらされていましたが、起業した今は嫌な仕事は断ることができるので、ストレスはほとんどありません。と言っても、基本的には来た仕事は断らないんですけどね(笑)。

 でも、自分の意思で「断れる」という選択肢、つまり“逃げ道”があるのとないのとでは、心の健康状態はまったく違ってくると思います。このことは、私が日産自動車に勤務していたときに、うつ状態になってしまった経験から言えることです。当時の私が会社を「辞める」という選択肢を持てていれば、きっと、あそこまでつらい思いをすることはなかったでしょう。

精神的に追い込まれた上司からのプレッシャー

 事の発端は、社内留学制度に応募したことでした。当時の上司は私のチャレンジを快く応援してくれていて、その期待に応えるためにも必死で努力し、30倍の競争率があった選抜試験に無事に合格。ところが、留学の資格を勝ち取り、いざビジネススクールのトップ10に入る難関校の合格を目指そうとしたところ、人事異動で上司が替わってしまったのです。

 人事部からやって来た新しい部長は、なんだかとても偉そうな感じの人でした。こちらが悪い印象を持っていると、それは必ず相手にも伝わるもので、その部長も「なんで岩田みたいなやつを留学させるんだ!」といった感じでした。普通は留学準備のため、仕事を少し減らしてもらえるのですが、どんどん振られるようになりました

 会社が指定するトップ10のビジネススクールに合格するためには、当時の得点法でTOEFLのスコアが600点以上、TOEICに換算すると900点以上の英語力が最低基準とされていました。一方、留学を志したときの私のTOEICスコアは300点程度。留学に行きたい一心で懸命に勉強して、1年で700点にスコアを伸ばしていましたが、まだ合格ラインの900点には達していませんでした。

 もっと勉強しなければいけないのに、仕事をどんどん振られてしまう。それでも、仕事で手を抜いたりしたら、留学の資格を取り消されてしまうのではないか。私はそんな不安感から必死に仕事をやりました。しかし、あまりの仕事量でミスも増え、英語のスコアも上げるどころか、どんどん下がっていってしまいました。次第に食欲がなくなり、眠れなくなり、体重も激減。精神的にも肉体的にも限界を超えてしまいました。

 「もう大阪に帰ろう」と、泣きながら妻に訴えたこともあります。本当につらい日々でした。

 そんな私の様子を心配した妻が、気分転換にと京成バラ園に誘ってくれました。そこで撮った写真に映った自分の顔は、目がうつろで、病人のような感じでした。帰りには高速道路の料金所で、前に停止していた車に衝突するという事故まで起こしてしまう始末。自分では意識していなかったのですが、明らかにうつ状態でした。

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