上司との関係に悩みうつ状態に。そこから抜け出せた理由は?
リーダーシップコンサルティング岩田社長 第1回
岩田 松雄=リーダーシップコンサルティング社長
挫折の経験が成長の糧に
もし今、上司との関係や仕事に悩み、そのストレスで潰れてしまいそうな人がいたら、「辞める」など他の選択肢もあることを、心のどこかに留めておいてほしいと思います。特に、上司との関係はずっと続くわけではありません。数年のうちに上司か自分のどちらかが異動になる可能性は大いにあります。それに、実際に転職するかどうかは別として、転職活動をしてみると、客観的に自分や職場を見つめ直すことができるでしょう。そこで、いざとなれば転職できるという感触がつかめれば、気分的に随分楽になると思います。
加えて、仕事を辞めても、1年くらいは暮らしていけるだけの貯金を用意しておくと、さらに心に余裕ができます。「辞めてもしばらくはどうにかなる」という精神的な安心感を持てれば、メンタル不調に陥るまで、自分を追いつめてしまうこともないはずです。
うつ状態になってしまったことは、自分にとっては挫折とも思えるような経験でしたが、当時の心の痛みや苦しみは、今の自分に生きています。それまでの私は、人に対して厳しいところがありました。例えば、仕事の要領が悪い人がいると、「こんなこともできないなんて、やる気がないんじゃないか?」などと思ってしまうほうでした。でも、この挫折の経験を通じて、自分の弱さに気付き向き合ったことで、人に対して腹を立てることがなくなりました。
上司として、社長として、部下を叱ることはあっても、怒ることはしなくなりました。あのつらい経験があったからこそ、自分は人として成長できたように思っています。もしかすると留学経験そのもの以上に。
(まとめ:田村知子=フリーランスエディター/写真:村田わかな)
リーダーシップコンサルティング 社長
