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私の「カラダ資本論」

上司との関係に悩みうつ状態に。そこから抜け出せた理由は?

リーダーシップコンサルティング岩田社長 第1回

 岩田 松雄=リーダーシップコンサルティング社長

挫折の経験が成長の糧に

 もし今、上司との関係や仕事に悩み、そのストレスで潰れてしまいそうな人がいたら、「辞める」など他の選択肢もあることを、心のどこかに留めておいてほしいと思います。特に、上司との関係はずっと続くわけではありません。数年のうちに上司か自分のどちらかが異動になる可能性は大いにあります。それに、実際に転職するかどうかは別として、転職活動をしてみると、客観的に自分や職場を見つめ直すことができるでしょう。そこで、いざとなれば転職できるという感触がつかめれば、気分的に随分楽になると思います。

 加えて、仕事を辞めても、1年くらいは暮らしていけるだけの貯金を用意しておくと、さらに心に余裕ができます。「辞めてもしばらくはどうにかなる」という精神的な安心感を持てれば、メンタル不調に陥るまで、自分を追いつめてしまうこともないはずです。

 うつ状態になってしまったことは、自分にとっては挫折とも思えるような経験でしたが、当時の心の痛みや苦しみは、今の自分に生きています。それまでの私は、人に対して厳しいところがありました。例えば、仕事の要領が悪い人がいると、「こんなこともできないなんて、やる気がないんじゃないか?」などと思ってしまうほうでした。でも、この挫折の経験を通じて、自分の弱さに気付き向き合ったことで、人に対して腹を立てることがなくなりました

 上司として、社長として、部下を叱ることはあっても、怒ることはしなくなりました。あのつらい経験があったからこそ、自分は人として成長できたように思っています。もしかすると留学経験そのもの以上に。

(まとめ:田村知子=フリーランスエディター/写真:村田わかな)

岩田松雄(いわた まつお)さん
リーダーシップコンサルティング 社長
岩田松雄(いわた まつお)さん 1958年生まれ。大阪大学経済学部卒業後、日産自動車入社。製造現場、営業、財務などを幅広く経験し、UCLAアンダーソンスクールに留学。外資系コンサルティング会社の日本コカ・コーラビバレッジサービス常務などを経て、2000年ゲーム会社のアトラス社長、2005年「ザ・ボディショップ」を運営するイオンフォレスト社長に就任。2009年スターバックス コーヒー ジャパンCEOに就任し、「100年後も光り輝くブランド」を掲げて業績を向上、2010年度には過去最高売上を達成した。2010年UCLAビジネススクールより全卒業生3万7000人から「100 Inspirational Alumni」に選出される(日本人は4名)。2011年リーダーシップコンサルティングを設立し、現在は次世代のリーダー育成に注力している。『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』(サンマーク)、『ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由』(アスコム)、『いつ、どこでも求められる人』の仕事の流儀』(三笠書房)など著書多数。

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