上司との関係に悩みうつ状態に。そこから抜け出せた理由は?
リーダーシップコンサルティング岩田社長 第1回
岩田 松雄=リーダーシップコンサルティング社長
家族の支え、目標の再設定でうつ状態を脱却
このように精神的に追い込まれた状態から立ち直ることができたのは、いくつかのきっかけがあったからです。最も助けられたのは、家族の支えでした。妻が地元で評判のいい心療内科クリニックを探して、受診を勧めてくれました。私は自分は病気ではないと思っていたので、受診なんて時間の無駄だと思っていました。しかし、妻が何度も強く勧めるので、そのクリニックを訪ねてみました。
ところがクリニックでは、初診の受付は3カ月待ちということで、結局診察を受けることはできませんでした。ただ、クリニックを訪れたことで、「今、自分は『心の病気』なんだ」と自分の状態を客観的に見られるようになったのです。
もう1つは、留学先の目標をトップ10からトップ30まで目標のレベルを落としたことです。トップ30ならなんとかあと少し頑張れば合格できそうだったんですね。とにかく留学することで、今の状態から抜け出すことが大切だと考えました。これでプレッシャーを少し軽減できました。
そして、会社の夏休みを利用して、留学予備校の1週間の短期集中講座に通ったことも、復活への大きなきっかけになりました。普通なら予備校では、受講者同士はあまり交流はないものですが、その留学予備校は小さな寺子屋のような雰囲気でした。お互い得意な科目を教えあったり、様々な情報交換をしたりなど、良き仲間として励まし合うことができました。そのころから英語のスコアも順調に伸びていき、何校か合格通知をもらい、第一志望だったUCLAに留学できました。当時の仲間とは今でも交流が続いています。
夏の短期集中講座に通うには、20万円程度の費用がかかりました。それまでにもかなりの金額を留学準備に費やしていたので、受講を迷っていたのですが、妻が黙って用意してくれました。願書の作成なども手伝ってくれ、妻にはとても助けられました。
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