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私の「カラダ資本論」

トライアスロンに取り組む経営者が多い理由【ベネッセ原田氏】

第2回 62歳でマラソン、64歳でトライアスロンに初挑戦

 原田泳幸=ベネッセホールディングス会長兼社長

仕事においては、やはりカラダが資本。多忙な中でも最高のパフォーマンスを発揮し続けるには、日ごろからの健康管理が欠かせない。一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム、ベネッセホールディングス会長兼社長の原田泳幸氏(67歳)の第2回目は、60歳目前で一念発起して運動を始めた原田さんのその後について。なんと62歳でマラソン、64歳でトライアスロンにも挑戦し始めたという。マラソンやトライアスロンの魅力は一体何なのか?

2013年には、64歳でトライアスロンレースにもチャレンジ。写真はその年の宮崎シーガイアトライアスロンでの様子。(©YUTAKA/アフロスポーツ)
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 2008年の7月にウオーキングを始め、9月に自転車に乗るようになり、体力がついてきた2009年の夏頃には、ジョギングも始めました。とはいえ、最初は走っては歩きを繰り返し、だんだんと走る距離を伸ばしていくという感じでした。当初はまだたるんでいたお尻の肉が、走るたびにぶるんぶるんと揺れてしまい、とても恥ずかしかったのを覚えています(笑)。

 ジョギングも毎日休まずに続け、1年ほど経った頃には、ようやく2kmは続けて走れるようになっていました。そこで私は「東京マラソンに出る」と、大口を叩きました。東京マラソンは人気の高いレースで、出場するには抽選で十倍以上の倍率があると知ってのことで、冗談半分のつもりでした。内心では絶対に当たるはずはないと思っていて、結果は予想通りにはずれました。

 その後、とあるパーティーでスピーチをする機会があり、私は「東京マラソンを走ろうと思ったのですが、抽選ではずれてしまい、安心しました」とジョークの挨拶をしたんですね。するとそこに、日本陸上競技連盟の方がいらして、「原田さん、大丈夫ですよ。次の大会から10万円支払えば出場できるチャリティ枠ができますから」と言われたのです。それでもう、引っ込みがつかなくなってしまいました(笑)。それが2010年10月のことです。

 2011年2月末に開催される東京マラソンを走ることになり、本番までの約4カ月間は、毎日必死で10km走りました。相当なプレッシャーでしたが、大会当日には、無事に完走することができました。62歳で初めて走ったフルマラソン大会でのタイムは4時間16分と、我ながらなかなかのものでした。

 以来、5年連続で東京マラソンに出場し、6年目の今年も走ります(注:取材は大会前の2016年1月に実施)。ベストタイムは4時間2分、遅かったときで4時間53分です。最近はタイムは気にせず、楽しく完走できればと思っていますが、とはいっても、4時間15分は目指したいところですね(2月28日に開催された東京マラソン、記録は4時間38分だった)。

今年の東京マラソンにて。
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日々の努力が結果に結びつくトライアスロン

 60歳目前でウオーキング、62歳でジョギングを始め、東京マラソンへの連続出場とモチベーションが高まっていった結果、2013年の夏には、64歳でトライアスロンレースにもチャレンジし、完走を果たしました。

2013年の宮崎シーガイアトライアスロンにて。(©YUTAKA/アフロスポーツ)
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 トライアスロンの魅力は何といっても、トレーニングの成果が結果に直結することでしょう。野球やテニスといったスポーツは素質に左右されるところがありますが、トライアスロンは素質に関係なく、努力あるのみなんですね。

 私のトライアスロンのコーチは「レース当日は、日々の努力を褒め称えられる晴れの舞台。レースは日々の努力、トレーニングそのものです」とおっしゃいましたが、本当にその通りだと思います。コーチはこうも言います。「トライアスロンはタイムを競うものではなく、トップの人も最後の人も、完走した人はすべて表彰されるもの」。この考え方も素晴らしいと思いますね。

 また、スイミング、ロードバイク(自転車)、ランの3種目あるトライアスロンは、それを乗り越えたときの達成感や充実感が、経営に求められる集中力や持続力にもつながってきます。トライアスロンに取り組む経営者が多いのも、それが理由ではないでしょうか。

■原田会長のカラダ資本論
第1回 私が60歳目前で運動を始めたワケ
第3回 健康維持には時間とお金の投資が必要
第4回 運動はいくつで始めても遅くない!

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(まとめ:田村知子=フリーランスエディター)

原田泳幸(はらだ えいこう)さん
ベネッセホールディングス 会長兼社長
原田泳幸(はらだ えいこう)さん 1948年長崎県生まれ。東海大学工学部卒業。72年エンジニアとして日本NCRに入社。その後、80年横河・ヒューレット・パッカード(現日本HP)、83年シュルンベルジェグループ取締役を経て、90年アップルコンピュータジャパン(現アップルジャパン)へ移り、97年社長就任。2004年同社社長から日本マクドナルド社長へ転身。05年会長を兼任。2014年よりベネッセホールディングス代表取締役会長兼社長に。
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