ぎっくり腰を機に、17kgの減量に成功【シニフィアン 小林共同代表】
第1回 肥満を「経営リスク」として、報告と罰をルール化
小林賢治=シニフィアン
様々な分野で活躍する一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム。今月は、未上場スタートアップや新興上場企業に対する経営支援事業などを手がけるシニフィアン共同代表の小林賢治氏にご登場いただく。小林氏はディー・エヌ・エー(DeNA)取締役・執行役員を経て、ミクシィ元社長兼CEOの朝倉祐介氏、元ゴールドマン・サックス投資銀行部門の村上誠典氏と共に、シニフィアンを創業。そのキックオフ合宿の前日にぎっくり腰を発症したことから、ダイエットを決行したという。第1回は、小林氏がいかに17kgの減量を成功させたのか、その秘訣を明かしていただいた。

私が以前勤めていたDeNAは、現在では健康経営を強く打ち出すなど、社員の健康に強く配慮した施策を数多く展開しています。ただ、当時の私は健康に対する意識が低く、不摂生を絵に描いたような生活を送っていました。特に役員になってからは、会食が増え、移動はほぼタクシーを利用。社内でも自室に入れ代わり立ち代わり人がやって来るような状態で、自分から動くことはほとんどありませんでした。
DeNAには約9年ほど在籍していたのですが、気がつけば20kg近く体重が増えていました。しかも、起業するまでの2~3年で急激に太ってしまったんです。それだけ短期間に目に見えて太っていくと、周囲からも健康を心配されるようになりました。
それでも特に病気らしい病気はなかったのですが、ある日突然ぎっくり腰になり、それ以降頻繁に悩まされるようになりました。半年に1度くらいの割合で、1週間は身動きがとれなくなるほどの激しいぎっくり腰に見舞われるのです。病院で診てもらったところ、ヘルニアなどの疾患はなく、内臓の疾患から来ているわけでもない。整体やマッサージ、鍼灸(しんきゅう)など色々なものを試してみた結果、体重が原因ではないかと指摘されました。要するに、太ってぜい肉がついたせいで、筋肉で体を支えられない状態になっていたんですね。
当時は身長が170cmに対して、体重は80kgをゆうに超えていました。自分でも「体が重いな」という自覚はあったのですが、正直なところ、そこまで深刻には考えていませんでした。
肥満は会社にとっても「経営リスク」
DeNAを卒業してまもなく、シニフィアンの創業に向けて共同代表の3人でキックオフ合宿を計画しました。ところがまさにその合宿の前日、くしゃみをした拍子にぎっくり腰を発症してしまったんです。そんなマンガのようなことが実際に起こるなんて、自分でもびっくりしましたね(笑)。
もっとびっくりしたのは、それを聞いた共同代表の2人です。合宿にはなんとか参加したものの、ミーティングどころか介護されるような状態で、「起業したばかりで3人の体が資本なのに、こんな感じでぎっくり腰を頻発されたら、仕事にならなくなって困るよ」「コバケン(小林氏の愛称)の体重が経営リスクだね」とまで指摘されてしまいました。
さすがに今回は自分自身でも「上場企業の経営トップだったら、有価証券報告書に記載するレベルの経営リスクだな」と痛感して、ようやく「本気で痩せなくては!」と奮起しました。そして、私のダイエットは社の重要課題として据えられ、共同代表の全員で対処していくことになりました。
