受け入れれば、楽になれる【JINS田中社長】
第2回 健全な魂と健全な肉体は一体
田中仁=ジェイアイエヌ社長
仕事においては、やはりカラダが資本。多忙な中でも最高のパフォーマンスを発揮し続けるには、日ごろからの健康管理が欠かせない。一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム、ジェイアイエヌ田中社長(53歳)の2回目。「健康を保つ上で一番大事な要素は精神」と田中社長は話す。そのポイントは「受け入れること」にあるようだ。
体だけを健康にしても意味がない
健康に気を使ってはいますが、「健康のために努力をしている」という感覚はありません。ストレスも意識して解消しているわけではない。もともと、あまりストレスをストレスと感じないタイプなのかもしれません。仕事を楽しんでやっているうちに自然にストレスを発散しているという感じでしょうか。それほど精神的に苦しい状態にはなりません。
それでももちろん肉体的な疲れはたまります。企業のトップとしてずっと走り続けなければなりませんから。
ただ、健康を保つ上で一番大事な要素は精神という気がしています。体は心と密接につながっていて、体だけを健康にしてもあまり意味がないのではないかと思うのです。ですから、ストレスがたまりにくい自分の性格についてはとてもありがたいと思っています。
ストレスをため込まないコツ
ストレスをため込まないのはもともとの性格に加えて、気の持ちようもあると思います。具体的に言いますと、何事も「受け入れる」ようにすれば、精神的に厳しい状況にはならないのではないでしょうか。
例えば、ある状況に直面して「厳しい」とか「嫌だ」とかネガティブな気持ちになっても、事態そのものは変わりません。反対にそう思えば思うほどドツボにはまってしまう。それなら一回、状況を「仕方がないな」と受け入れて、「なら、ここからどうしようか」と考えるほうがずっと精神的に健康です。
私はさらにそれを昇華させ、厳しい状況になると「これはチャンスだ」と思うようにしています。マイナスの局面を打開すれば、次の光が見えてくる気がするのです。当社の今までの歴史の中でも、厳しい局面は何度となくありました。しかし、その段階を乗り越えると大抵、次のステージに進むことができました。
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