「手術をしないと治りません」ときっぱり宣言
しかしながら、しばらくゴルフを休んだだけで筋力は低下し、ドライバーの飛距離が落ちた。ドライバーの飛距離が落ちれば、生きがいにしているエージシュートの積み重ねにブレーキがかかるかもしれない。そう考えた赤﨑さんは、筋力の衰えを少しでもリカバリーさせようとスポーツジムに頻繁に通いトレーニングに励み始めた。
冒頭で触れた2回目の腱板断裂は、スポーツジムの中で起きた。昨年11月1日、ジムのフロアにつながる階段から転落。今度は左肩を強打したのだった。赤﨑さんはすぐに自宅近くの整形外科病院に駆け込んだ。MRI検査を受けた結果、「左肩腱板の完全断裂」と診断された。
「完全断裂というと・・・?」
赤﨑さんが恐る恐る質問すると、高齢の医師から「手術をしないと治りません」ときっぱり宣言された。続いて、「私自身が歳を取りすぎていて、メスを使って肩を切開して筋肉を縫合する手術はちょっと厳しい」と申し訳なさそうに囁かれたそうだ。
さて、どうしたものか。完治には手術が必要だが、かかりつけの整形外科医にはできないと宣告されて、赤﨑さんは途方に暮れた。
「ところがその直後に、かつて勤めていた会社のOB会が福岡であり、参加した仲間の1人が、今は肩を切開しなくても、内視鏡手術で簡単に治せると教えてくれたのです」(赤﨑さん)
手術は1カ月待ち、リハビリ3カ月…で驚きの決断
早速、鹿児島に帰って主治医に相談すると、県内にも内視鏡手術の専門医が2人いることを思い出し、そのうちの1人に紹介状を書いてくれた。赤﨑さんはすぐにそれを携えて紹介先を訪ねた。
「ところが、かなり有名な医師とのことで、手術をするのは最短でも1カ月後の正月明けだと言われたのです」(赤﨑さん)
加えて、体に負担の少ない内視鏡手術を受けたとしても、術後のリハビリに3カ月は必要だと告げられた。合わせて4カ月、ゴルフができない。赤﨑さんは迷い、逡巡したが、とりあえず1カ月後の手術を予約して帰った。
「その翌日から自宅近くの整形外科病院に通って、手術までの1カ月間、電気治療を受けながら肩関節の動きをよくするストレッチや筋力をつけるための運動を理学療法士に指導してもらうことにしました。ほかにやることがなかったからですが、しばらく続けていたら、肩関節が少しずつ動くようになったんです」(赤﨑さん)
腕を正面に伸ばして真上に上げる縦の動きだと肩は痛むけれども、クラブを振る横の動きではさほど痛みが出ないことも分かった。
「担当してくれた理学療法士にゴルフをしてもいいかと聞いてみたら、練習場くらいならいいだろうというんです。練習場がいいならラウンドだっていいはずだと、翌日、早速、ホームコースに出かけました(笑)」(赤﨑さん)
左肩の腱板の完全断裂を診断されて19日目のことであった。